★CDレビュー/個人的名盤

特集 ミッシェル・ガン・エレファント 第9回

Cocp50617「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」
2001年発売の6thアルバムだ。

ミッシェルの最高傑作は4thの「ギヤ・ブルーズ」だと思うが、一番好きな作品は、この「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」である。

前作「カサノバ・スネイク」からパンク風味を薄くしたようなミッシェル流ロックンロール作品ではないだろうか。
ミッシェルの作品の中で最もJ-POP寄りと言えるかもしれない。
そのため、初期ミッシェルが好きな人にはウケない作品かもしれない。

J-POP寄りって言うと、何となく軟弱ロックなイメージを浮かべる方がいるかもしれないが、あくまでミッシェルの作品としてはの話である。

相変わらずチバさんは巻き舌で吠えまくっているし、アベさんは高速ギター・カッティングを弾きまくっている
POPなのは楽曲が洗練されたせいかもしれない。
初期ミッシェルの頃のように、単語を並べてる歌詞から意味がありそうな歌詞へと洗練されている。メロディが生まれている。疾走感も健在だ。

ただし、歌詞の意味は理解不能である。
フレーズ、というか、言葉の使い方の違いではないだろうか。

あれがまたやってきてるよ知ってる。
今夜の月は少し欠けてたんだ。
あの犬をとりに行くってきめたよ。

初期の頃はこんな歌詞の繰り返しだったりしたのが、
今作では……

ロデオ・タンデム・ビート・スペクターが俺の背骨をつらぬくだろう。
ロデオ・タンデム・ビート・スペクターがお前の頭かち割るだろう。

と、まあ、言葉の数自体が変わってたりする。

だからどうした? って聞かれても答えられないのでツッコミはしないで頂きたい。
実際に初期とこのアルバムを聴き比べて感じていただきたい。

ミッシェルが解散して10年経った今、時系列に彼らの作品を聴くと、今作のオープニング曲は明らかに音楽性の変化を物語っているように思う。

疾走するロック・チューンの上をメロディを無視した語り歌唱で突き進むチバさん。
ROSSOThe Birthdayを聴いた今では「ああ、なるほど」って曲だが、当時は衝撃的なオープニングだった「シトロエンの孤独」である。
「荒馬二人乗り、ビートの亡霊」と直訳したアルバム・タイトルが歌詞に登場するのは、実は最近になって知ったというか、気が付かされた。

チバさんファンであるやみずさんのブログ「旅TMGE」の全曲解説を読んでのことである。
http://blog.livedoor.jp/yamizu77/

なぜ気が付かなかったのか?
それは、わたしが歌詞を見ないから……というのと、シングル「暴かれた世界」で思いっきりロデオ・タンデム・ビート・スペクターが~って唄ってるのと、インスト曲の「ビート・スペクター・ブキャナン」と「ビート・スペクター・ガルシア」って解りやすいタイトル・コールがあったから。

ちなみに「暴かれた世界」のカップリング「セプテンバー・バイク・チルドレン」はアルバム未収録のインスト曲である。
そして同じくシングル曲「ベイビー・スターダスト」のカップリング「ベガス・ヒップ・グライダー」と「武蔵野エレジー」もアルバム未収録である。

さらにこの年にはMICK GREEN with TMGE名義で「クワッカー」というシングルも発売されている。全曲インストの3曲入りのシングルである。
インディーズのデビュー・ミニ・アルバムに収録された「WONDER STYLE」がステレオ・ヴァージョンで再録音されている。
まあ、この作品はミック・グリーンってギタリストとチバさん以外のメンバーがセッションした作品だね。

そして、この作品を最後に、ミッシェルはレコード会社を移籍することになる。

チバさんはミッシェルの活動休止(?)に合わせ、元ブランキー・ジェット・シティのベーシスト照井さんROSSOを結成。

実は、わたしがミッシェルを聴いてたのは、あくまでアベさんのギターが好きだったからなんて理由でROSSOは聴かず嫌いをしていた。
改めてROSSOを本気で聴きだしたのは、ここ2、3年の話であるというファンの風上にも置けないヤツなのである。

残念なのは……当時のわたしのミッシェル熱は、この時期に完全に冷めてしまって、その後10年近く放置されてしまうってことである。

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特集 ミッシェル・ガン・エレファント 第7回

Cocp50001「GEAR BLUES」
1998年に発売されたミッシェル・ガン・エレファントの4thアルバムだ。

超個人的な独断と偏見であえて言うと最高傑作と呼ぶべき部類のアルバムだと思う。そう、最高傑作なのだ。念のためにもう一度言おう、最高傑作だ。

こんなこと書くと、また「最高傑作は言い過ぎでは?」なんて批判的意見をもらいそうだが、だって個人的な意見なんだからしょうがない。

前3作と比べ、格段に楽曲のクオリティが高い
そしてアルバムとしての流れも抜群に良い。
洗練されている。
だからと言って歌番組やヒットチャートを意識して媚びを売った作風ではない

そう、もちろん、ミッシェル好きのわたしの個人的意見だ。

オープニングの「ウエスト・キャバレー・ドライブ」は前3作からの流れを継承した、どことなく怠い雰囲気の漂うアップテンポなロック・ナンバー。
ただ、今までとは決定的に違う部分がひとつ!(個人的感想)

実は、これがわたしの心を捕えて離さないポイントなのである。

それは、チバユウスケさんの唄い方の変化である。
実は、この「ギア・ブルース」からチバさんの唄い方が大きく変わったのである。(とわたしは思っている)

巻き舌である!

ラ行の発音時に巻き舌が多用されているのだ。
巻き舌歌唱法! とにかく下品で威圧的で凄みがあってイイッ!
実は、わたしはこの巻き舌の威圧的な唄い方が大好きなのだ。

初期の椎名林檎と同じような歌唱法だ。当然チバさんの巻き舌の方が先だけど。

そして、2曲目の「スモーキン・ビリー」も巻き舌連発だっ! カッコいい!
アベさんのカッティング・ギターに、この巻き舌ガナリ声ヴォーカルをやられた日にゃ、も~どうしましょって感じである。
流石に爆発的人気を誇るシングル曲だけあって、何度聴いても飽きることがない。
事実、わたしが初めて聴いたのは16年前だが、今でもヘビーローテーションでiPodから流れている楽曲である。カッコよすぎて飽きてる暇がない。

ちなみに、「スモーキン・ビリー」のカップリング曲「ジェニー」はアルバム未収録の楽曲だが、わたしが嫌いな曲のひとつである。
別に曲が嫌いなのではない。ミッシェル楽曲史上で唯一じゃないだろうか? フェード・アウトで終わる楽曲なのである。
ミッシェルの曲のカッコ良さは、全てきっちりと演奏が完結することだと思ってたのに!

そして続く「サタニック・ブン・ブン・ヘッド
なんかフザケたタイトルに感じるだろうが、楽曲はもっとフザケている。
ヴォーカルは、ただひたすら「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」と繰り返すだけの曲である。
だが、その後ろで奏でられる演奏のカッコいいこと壮絶なことっ!
まあ、ヴォーカルも楽器の一部ってことでやってるインスト曲らしい。

そして「ドッグ・ウェイ」のミッシェル・ブルーズ・ロック。
とにかくドスの利いたチバ歌唱とアベギターが凄まじい。

フリー・デビル・ジャム」はとにかくハイテンションなロック・ナンバーだ。
相変わらず歌詞の意味は理解不能だが、「うなる頭蓋骨」なんてフレーズが出るんだから嫌いになれるわけがない。
ついでにこの楽曲「あわてふためいてやれ魂だとか~」のパートはチバさんではなく、ドラムスのクハラさんが唄ってます。

そして、わたし的には嫌いな「キラー・ビーチ
とりあえず唄い方が嫌い。歌詞の響きが嫌い。雰囲気が嫌い。なんかノー天気すぎるイメージが頭から離れず今まで16年間、まともに聴いたのが5回くらいって苦手曲。

嫌いな曲の次は大好きな「ブライアン・ダウン」を挟んで理解不能な「ホテル・ブロンコ」。
まあ、インストの曲だが、ゆったりとした流れの中でいきなり登場する「さのばびっち」って歌詞がシュールでついつい聴いてしまう不思議な曲。

そして後半戦、「ギブ・ザ・ガロン
疾走するロックではないが分厚いブルーズ系のロックである。
「ギア・ブルーズ」はこの手の重圧なブルーズ系ロックがカッコいい!

そして続くシングル楽曲「G.W.D」は「がなる・わめく・だれる」の頭文字らしい。
ハイテンションで疾走するロック・チューンだが、シングル・ヴァージョンとは若干ニュアンスが違う。
アルバムではとにかく疾走してるが、シングルではちょっとブルーズ感が強いというかテンポが遅く隙間の多い演奏って感じだ。
じつはこの2ヴァージョン、甲乙つけられないくらいどっちもカッコいい。
ついでにチバさんの唄い方がカッコいい。
アベさんのギターがカッコいいのは言うまでもない。

「G.W.D」のカップリング「ジャブ」は「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」と同じく、「ジャブ!」と繰り返すだけの声も楽器だぜ系インスト・ナンバー
そいでもって、アナログ盤には「ジャブ」ではなく、「SICK ON YOU」と言うカバー曲が収録されている。
この曲……わたしが唯一音源を入手できていないミッシェルの曲である。
アナログ盤のみかよ……と思っていたら、2000年に一度、コンピレーションに収録されたことがり、現在そのCDを買うかどうか迷っているところである。

残念ながら「ジャブ」と「SICK ON YOU」はアルバム未収録。

続く「アッシュ」は嫌いじゃないが好きでもないロック・ナンバー。
って言うか、ミッシェル・ガン・エレファントの楽曲の中にバラードって無いよね。
純粋にバラードと呼べるのは最後の最後に出てきた「ガールフレンド」くらい?
この曲「アッシュ」に対する好きでも嫌いでもないって言うのは、多分、激烈大好きな「G.W.D」の次の曲だからかもしれない……。イマイチ、インパクトな無いよね。

そして後半の意味不明楽曲ソウル・ワープ」なのだが、これは意味不明過ぎて好きな楽曲。意味不明な理由は、わたしが歌詞カードを見ない人だから。
わたしは、この当時(1990年代後半)とにかく洋楽に傾倒しておりその流れで歌詞カードを見ない癖がついてしまっている。
歌詞カードを見ないので、実際に「何と唄っているのか、英語なのか日本語なのか」すら理解できていない。というか、それくらい何を唄ってるのか理解不能なのだ。初めて聴いて16年経った今も歌詞カードを見ていない……。

もしかしたら、わたしがいまだにミッシェル・ガン・エレファントの楽曲をヘビーローテーションで聴けるのは「歌詞を知らない」からかもしれない。
いや、でもたぶん歌詞を見ても意味は理解出来ないと思うので今後も見るつもりはない。

そして後半のブルーズ「ボイルド・オイル
この曲もカッコいい分厚い楽曲である。
この分厚さのままいよいよクライマックスかって思ったら、アルバムのラストは何とも軽いイントロから始まる「ダニー・ゴー」である。

「ダニー・ゴー」ってどうしてミッシェル・ファンに人気なのだろう?
わたし的には特に好きなタイプの曲ではない。
カッコいいとは思うけど、不思議と特別な思い入れは無い。

と、最高傑作と言ったわりには最後に思い入れは無いとか言っちゃってるが、これはあくまでミッシェル・ガン・エレファントの全楽曲で比べた時の話である。

ちなみにこの「ダニー・ゴー」はCD盤とアナログ盤ではアレンジに若干の違いがある。
アナログ盤は楽曲が終わった後に、フェード・インでアウトロが始まってフェード・アウトで終わっていくって蛇足のようなアレンジが加わっている。なんでだ?
このアナログ・ヴァージョンは2003年発売のベスト盤で聴くことができる。

さらに余談だが、この時期、「チキン・ゾンビーズ」から「ギア・ブルーズ」までの間にアルバム未収録のシングルが2枚発売されている。
一枚はアナログ盤限定シングル「VIBE ON!」、それとCD盤の「アウト・ブルーズ」である。
「VIBE ON!」「アウト・ブルーズ」は共にベスト盤「TMGE108」に収録されている。
が、どちらもカップリングが入手困難なのが厄介である。

「VIBE ON!」のカップリング「あんたのどれいのままでいい」はCDとしては「GRATEFUL TRIAD YEARS」初回ボックスのボーナスCDに収録されている。「アウト・ブルーズ」のカップリング「SODA PRESSING」はシングル盤のみの収録である。
「あんたのどれいのままでいい」はDL販売でも見たことがないレア楽曲である。

と、まあ、大好きな最高傑作だけに、長いレビューになってしまいました。

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特集 ミッシェル・ガン・エレファント 第1回

Theemichellegunelephantcasanovareis

今月末に発売されるミッシェル・ガン・エレファントのライブDVDを前に、改めてミッシェル・ガン・エレファントのことを振り返っておこうと思うのである。

実はわたしはミッシェル・ガン・エレファントが大好きなのである。
どれくらい好きかと言うと……
彼らのアルバム全部持ってるくらい好きなのである。
彼らのシングル全部持ってるくらい好きなのである(8cmは持ってないです)
ついでに言うと、ROSSOとThe Birthday、RAVEN、その他もろもろ、チバユウスケさん関連の作品は買っている。

ええと、何が言いたいのかというと、わたしは熱狂的なファンとは自称できないまでも、それなりにファンであると言いたいのである。

なので、今回の特集は、「それなりのミッシェル・ガン・エレファントのファンがそれなりにミッシェルを語る」特集なのである。

過去、わたしはこのブログの中でブランキーの浅井健一さんを「天才ミュージシャン」と書いて「お叱り」をうけてしまったことがある。
ファンだから美化したい気持ちはわかるが、表現を選んだ方がいいという内容であった。
多分、それを書いた方も浅井健一さんのファンなのであろう。
音楽に興味が薄い方には分かりにくいかもしれないけど、自分の敬愛するミュージシャンに対する思い入れの違いだと、わたしは感じるのである。
ある意味、宗教に近いのかもしれない……。

だから、今回は最初に言っておく。
それなりのファンが語るミッシェル・ガン・エレファント特集である。

はい、言い訳おしまい。

まず、ミッシェルの音楽の特徴は、当時(1995年)では珍しいガレージ・ロックだと言うことだ。実際にはパブ・ロックって呼ばれてた音楽に近いのだが、今はガレージ・ロックの方が分かりやすいと思うので、ガレージ・ロックを使わせていただこうと思う。
90年代後半に始まったガレージ・ロック・リバイバル(洋楽)より早く、日本のバンドがガレージ・ロックをやってたのである。
ガレージ・ロックとは(本来の意味とは違うが)一発録りに近い生々しい迫力ある演奏をそのままCDにしちゃうようなものだと思っていただければ良いと思う。
※本来のガレージ・ロックのジャンルはもっと広範囲である。

ミッシェルが凄いなと思うのは、日本では売れそうもないガレージ・ロックというジャンルで売れ、しかも解散するまでそのスタイルをつらぬき通したってことだろう。いや、実際にはカッコいいバンドなので凄いってだけの話である。

なにせ、一般ウケして売れる要素が見当たらない……。
たしかにロック・バンドとしてはカッコいいのだが、派手なビジュアルも無く、音は粗いし、歌詞は意味不明で、がなるような歌唱法である。

リアル・タイムで聴いてた頃は……ミッシェルの歌詞に意味は無いって思ってました。
その後、わたしは洋楽に傾倒していってミッシェルも聴かなくなってたし、洋楽に傾倒した結果、邦楽を聴く時に歌詞カードを見ないという変な聴き方になってしまったのです、はい。

ミッシェルの歌詞の凄さに気が付いたのは、実はチバユウスケさんのファンが書いたブログでした。
彼女はチバさんが好きすぎて、ミッシェルからバースデイに至るまで「全ての歌詞の意味」を自分流の解釈で解説してくれていたのです。
自分流と言っても、かなり奥が深く、例えば「チバさんの詩集でご本人の解説を読んで歌詞の意味が解らなかった部分が理解できた」と書いてるくらい深く掘り下げて書かれてある感じ。
「リリィ」という曲は実は「限りなく透明に近いブルー」(でしたっけ?)という小説に影響されて書いた詞だったとか……。※曖昧なことを調べようとしない主義のスターダストを許して下さい。ごめんなさい。

確かに、ミッシェルの歌詞は単語を羅列したものばかりのイメージだったけど、言われてみれば様々な解釈ができる謎の深い歌詞ではあります。

でも、わたしにとってのミッシェル・ガン・エレファントの衝撃はアベフトシさんのギター・カッティング!
チキン・ゾンビーズが発売された頃、バンド活動なんぞでギター弾いてたわたしは早速アベさんのカッティング真似して3日目で挫折した男です……。
こんなギターの弾き方があるのか!
ミッシェルを聴きだしたきっかけは全てアベさんのギター・カッティングの音だったのである。

と、特集と銘打ったくせに相変わらずグダグダな文章で終わるのは愛嬌ということで、申し訳ない。
次回からは各アルバムの解説(もちろん超個人的偏見意見)をやろうと思っている。

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90’s ROCK 第1回

90年代の音楽は、私にとってのバイブルだと思う。
いや、バイブルというよりは・・・最も多感な時期に聴いた青春時代の音楽だと思う。

それが・・・グランジ・ロックだった。

Kart_2ニルヴァーナとの出逢いである。

それまでの私は、ハードロックとへヴィメタが大好きな真面目な青年だった。
ガンズ、メタリカ、メガデス、イングヴェイ、ヴァン・ヘイレン、モトリー・クルー、スキッド・ロウ、ハロウィーン、AC/DC、レインボウ、スティーヴ・ヴァイ、クイーンズライチ、デフ・レパード、マイケル・シェンカー・グループ etc・・・
数えだすときりが無いが、メタル以外は音楽じゃないと思っていたくらい、へヴィーなサウンドに夢中だった。

だが、初めてニルヴァーナを聴いた時の衝撃っ!
テクニックも技も無いギターをかき鳴らし、ポップなメロディを腹の底から絶望的に絶叫し、客席に飛び込み、マイクスタンドを倒し、ドラムセットに飛び込み、アンプを破壊し、ギターを叩き折り、ステージに這いつくばり・・・命削ってROCKしてますってその姿・・・。

プロ野球の華麗なテクニックではなく、この試合に負けたらそれで終わりっていう、高校野球の本気と気迫と熱さ・・・。その姿に心を奪われたわたし・・・。

全てのHR/HMのバンドを捨て(それは大袈裟だけど)インディーズの音楽に目覚めてしまいましたとさ。

ニルヴァーナは・・・もはや説明の必要も無いくらいこのブログでも紹介してるし、有名なバンドなので説明は省略するが・・・いや、やっぱり省略せずに書くのだが、1989年にインディーズでデビューし、1991年に発表したメジャー1作目「ネヴァーマインド」が爆発的ヒットを記録したグランジ・バンドである。

リアルタイム世代の私が聴き始めた頃は、まだグランジという呼び方は普及してなくて、「ノイズサウンド」と呼んだりしていた。・・・が、すぐにグランジという名が登場し、飽和していたと思われたROCKに新たなジャンルを作った偉大なバンドといて一躍有名になったバンドだ。
そう、それまでの音楽には明確なジャンルが存在していたのだ。
POPSはPOPSで、ROCKはROCK、PUNKS、HR/HM、HIPHOP、DANCE、etc・・・
当時はそれらのジャンルが「交わることはない」時代だった。
女の子に人気のハード・ロック・バンド「ボン・ジョヴィ」は・・・「あれはアイドル・バンドだから」ってHR/HM好きの人にはバカにされるポップロックだった。
HR/HM好きの人はPOPSやPUNKは聴かないでバカにしてたし、PUNK好きの人はHR/HMをダサい音楽とバカにしていた・・・。

そこに、へヴィーなのにポップで、しかもパンキッシュなバンドが登場し、爆発的に売れ、そんな彼らが「メジャー批判」を行い、当時大人気だったガンズを名指しで批判し、音楽業界は一夜にしてインディーズ・ロックに支配されてしまったのである・・・。

政権交代である・・・。

ここで良かったのは、それまでインディーズで絶大な人気を誇っていたバンドが次々に表舞台に登場したことだ。
・・・実際にはニルヴァーナよりも先にメジャーデビューしていたバンドもいたが、ほとんど同列に扱われていた。

ソニック・ユース、ピクシーズ、スマッシング・パンプキンズ、ストーン・テンプル・パイロッツ、パール・ジャム・・・
彼らの特徴は、メジャーの制限が無かったため、自分たちが好きなサウンドを好きに演奏していたことだ。

他ジャンルとのミックスや実験音楽、サイケデリック・・・。ソニック・ユースが残響ギターノイズの中で暗くシットリとカーペンターズを歌う・・・。ポップスの代表のようなグループが大好くな残響ノイズ大王バンドって・・・。

今まで聴いたことのないサウンドに・・・夢中になるのは当然だった。
そして当然のように彼らがリスペクトする他のバンドを聴き、他のジャンルを聴くようになり、音楽の聴き方が変わってしまったのだ。

音楽をジャンルで括って「他のジャンルを聴かない」なんて有り得ない時代がやってきた。

それがニルヴァーナの登場だったのだ。
ニルヴァーナの音楽が偉大なのではなく、ニルヴァーナが売れたことにより、音楽には様々な表現方法があるという、インディーズの考え方がメジャーに浸透したことが偉大だったのだ・・・と私は今でも思っている。

私の個人的な意見であることは言うまでもない。

実は、私にとっての音楽の革命は、インディーズ・バンドを知ったことと、70年代の音楽を知ったことである。
当時はインターネットが無い時代だったので、70年代の音楽を聴くには雑誌で紹介されるごくわずかな有名人・・・しか方法が無かった。
が、カートが好きだと言うアーティストならって、CDを探して購入。そして、その時代の人気バンド(CDの解説に紹介された同時期の有名バンド)なんかも聴き漁り、かなり多くの70年代アーティストを聴いた。(正確には60年代後半~70年代中ごろまで)。

インディーズバンドと70年代バンドの共通点は何か?
それは、どちらも生演奏が多く、多少雑な印象で、80年代のように作られた感が無いってことだ。※70年代のPOPSではなく、あくまでROCKの話である。
当然、自分が好きなアーティストがリスペクトするバンドなのだから、好意的な耳で彼らの楽曲を聴く・・・「やっぱカートが好きっていう音楽は好いよね」ってなって、また別のバンドを聴く・・・。

だが、ここで音楽シーンに問題発生である。
これは音楽業界の人間じゃない、リアル購買者の私ですら感じたことだが・・・インディーズ・バンドの発掘が進むにつれ、駄目なバンドが多くなってくる・・・けど、それらのバンドが「期待の新人」といて大々的に売りに出され、リスナーが聴いてガッカリするって、悪魔のサイクルが誕生してしまった。

そりゃ~そうだ。
グランジってジャンルなら何だって売れるご時世だ。
普通ならデビューすら出来なかったインディーズバンドが次々に表舞台に登場した。
が、彼らはインディーズバンドだ。昨日まで素人に毛が生えたようなバンドだったのだ。

本当に才能があるインディーズの顔(メジャーの制限が嫌でインディーズに居たバンド)と、メジャーにはなれないバンドの実力差は歴然なのだ。

さらに言うなら、インディーズってのは、悪い話、話題にならない音楽だったから、酒も女もドラッグも好きなようにやってた連中なのだ。勝手なイメージだが。
当然、有名になった途端にカートのスキャンダルが一斉に報道され始める。
カートがドラッグ中毒だとか、不幸な家庭環境で育ったとか、音楽とは関係ない話題が盛り上がる。
それに加えて、有名なインディーズ出身バンドがドラッグで逮捕されたり、オーバードースで病院に運ばれたり、最悪は死亡したり・・・。
とにかく、危険なインディーズ・バンドが多かった。
マスコミは当然のように記事にして儲けていく。
その標的は・・・最も人気のあるバンド、ニルヴァーナの問題児「カート・コバーン」である。

マスコミに追い詰められた結果・・・カートは自らの頭を銃で撃ちぬいて自殺するという最悪の結末。
そして、その後、さらに最悪だったのは、カートを追い詰めたマスコミが沈黙したということだ。それまでのインディーズブームが嘘だったように沈黙ムード。
当然、一気にインディーズブームは終焉。
本当に実力が無いバンドはその煽りで活動休止、解散・・・。
グランジ・オルタナティブ・ムーブメントは・・・わずか数年で終わりを迎えてしまうのである。

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ローリングストーンズを熱く語ってみよう 第1回

1401479ローリングストーンズと言えば・・・ロックが好きな人なら誰でも知っているであろう有名なロック・バンドである。1960年代にビートルズのライバル的バンドとして登場してから50年近くになるのか?

今でも現役で転がり続けるロックの生き字引である。

ロックを続けて50年・・・すでに年齢は70歳を超えている?オジサン・・・いやお爺さんたち。

実は、正直に言うが・・・私はローリングストーンズにはまったく興味が無かった。私はビートルズが大好きなのだ。ビートルズに比べると、あまりにも作品の質が低いと思っていた。

今から20年くらい前の話だ。初めてローリングストーンズを聴いた。

当時の私は大学生で・・・アルバイトして、今まで買えなかったCD(レンタルがメインでした)を買えるくらいのお小遣いを自分で稼げるようになっていた。が、買うCDと言えばハード・ロックやへヴィー・メタル系。グランジやブリット・ロック・・・。

そんな中で聴いたローリングストーンズの旧譜(60年代のベスト)は余りにもショボくで聴くに堪えられないものであった。・・・同じ理由で私はパンクにも一切の興味を示さなかったのだが・・・。

それから数年が経って、社会人となり自由に使えるお金が増え、しかも90年代のCDバカ売れ時代・・・。ラジオでかかっていたストーンズの70年代の曲に興味を持ち・・・CDを買った。70年代の『スティッキー・フィンガーズ』以降の全作品をまとめて購入した。

が・・・殆ど聴くことはなかった。

やはり・・・というかストーンズは肌に合わないと思ったものだ。当時の私はニルヴァーナから始まったグランジ・オルタナティブ音楽にどっぷりだったのだ。70年代のストーンズは聴けるが、80年代以降は聴くべき作品が無いと思っていた。

そしてその後・・・過去の偉大なアーティストの作品をリマスタリング再発売という音楽業界の荒業2000年代に突入。

ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョプリン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、デヴィッド・ボウイ、レッド・ツエッペリン、フリー、更には単発で発売される記念盤のデラックス・エディションなどなど・・・事あるごとにCDを購入し、音楽業界の悪行につき合わされつつ、でも良質に蘇った過去の音楽に感動したりして・・・。

でも、この間も・・・ローリング・ストーンズだけには一切手を出していなかった。

なぜか? それは・・・ストーンズが肌に合わなかったからだ。

いや、もっと正確に言うなら・・・ブルースが理解できていなかったからだ。おっと、今でも理解できているわけじゃないのだが・・・。

例えばジミヘンやフリーなんかもブルースよりのアーティストだし、Gラブなんてブルースのレーベルから作品を出すアーティストも好きで聴いている。が、ブルース自体はよくわかっていないのも事実。

ジミヘンはギターの神様的な感覚で聴いてるし、フリーは初期のギターサウンドが好きだし、Gラブはブルースにヒップホップをミックスしたオルタナ感が好きで聴いているだけだ。

で・・・何かの記事で「ローリング・ストーンズのブルージーな楽曲が・・・」というのを読み、そう言えばストーンズって・・・なんであんなに好きになれないんだろう? ってざっくりとiTunesで試聴してみた。

ああ、ストーンズってブルースなのか・・・俺はずっとロックだと思って聴いてたよ。って、そう思ったら急にストーンズが聴きたくなって、で、調べてみたのだ。

ストーンズのリマスターCD。

流石に悪徳音楽業界・・・何という高額悪徳商法。

そんな中・・・某A→Zのネット通販で見つけた14枚組で1万4千円のボックス・セット。

70年代『スティッキー・フィンガーズ』以降の全オリジナル作品をセット。って、前にいちど同じ買い方してるけど、リマスターされてるからいいやって購入しました。

購入ボタンを押すまで、評価やら何やら、1週間以上調べた結果の購入です。

ってことで・・・これからしばらく

ローリングストーンズを熱く語っていきたいと思うのである・・・。

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R.E.M. グレイテスト・ヒット ラスト・アルバム

97large『世界で最も重要なバンド』と言われたロック・バンド、R.E.M.(アール・イー・エム)が突如解散を発表したのが今年の9月のこと・・・。31年のキャリアに終止符がうたれることになった。

そして、12月21日(日本盤)に発売されたベスト・アルバムを最後に、本当にR.E.M.は終了してしまったのである。

【グレイテスト・ヒット】である。多分、80~90年代の洋楽を聴かない方はR.E.M.を知らないのではないだろうか?グレイテストなのに知ってる曲が殆ど無いヒットである。それくらい、日本での知名度は低い(と言われてる)バンドなのだ。

実際、私がR.E.M.を聴きだしたのも90年代初頭、カート・コバーンがリスペクトしてるバンドという理由だけだった。それでも20年以上彼らのファンをやっていることになるのだが・・・。それくらい、聴きだしたきっかけは他のバンドの影響なのだが、今ではそれらのバンドを凌ぐくらいに大好きなバンドのひとつである。

90年代は、とにかく聴き狂ったバンドのひとつだ。

オリジナル・アルバムは当然全作品持っているし、IRS時代の初期ベスト、2枚組のベストはもちろん、ワーナー時代のベスト、ポップ・ゲーム・ボックスにオートマチック・ボックスなどというレア曲満載のシングル・ボックスまで買い漁ったバンドだ。

90年代後半に、ドラムスのビル・ベリーが脱退してからは・・・いまいち好きになれなかったが、ここ最近の作品は私的には『最高傑作』と呼びたい作品が連続していた。

・・・これに関しては、最高傑作ではないという手厳しいコメントもいただいたが、20年以上彼らの楽曲を聴き狂い、ファンをやってる自分が最高だって思った作品なので最高なんだって思わせていただきたい。その方曰く『毒気が無い』とのことだが、私は残念ながら英語の歌詞を深く理解できるほどの頭脳がないので『何に対して毒気が無いのか』分からないのが悔しい限りだ・・・。

あの超ポップ楽曲満載のグリーンが実は『最も政治批判の強い毒気満載作品』だって、そんなことやっちまうバンドなので、楽曲がポップだとか単調だとかの理由で『毒気が無い』なんて思われていないことだけを願いたいものだ。

まあ・・・R.E.M.も50越えのオヤジたちなので、流石に全盛時の彼らのように、またはシド・ビシャスやルー・リードやイギ―・ポップのような『毒気』は無いだろう。って言うか・・・50越えてそんな毒気をまき散らしたら・・・時代錯誤のLAメタルって感じで痛いだけだろう。※ビンス・ニールがモトリー・クルー脱退をマジ検討中って本当か?・・・

あのマリリン・マンソンですら最近は毒気が抜けているし・・・正直今のわたしのヘビーローテーションは90年代全盛時代の『ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン』や『ソニック・ユース』、『ランシド』辺りだし・・・ランシドに関しては最近のPV見ると悲しくなるくらい『おっさん』だし・・・。ホント、ぐっとのめり込んで聴きたい『新しいバンド』ってなかなか無くて困っているのだが・・・。

ちなみに、私はR.E.M.の本当の最高傑作は『ドキュメント』だと思っている。他の最高傑作ってのは・・・何度も聴けるアルバムって程度に捉えていただきたい。

で、結局・・・何が言いたいのかっていうと、R.E.M.のベスト・アルバムは記念碑的な作品であって、特に何の感動も無いまま、消化不良な感じってことである。

今後は・・・多分出るだろう・・・リマスター作品に期待したい。

今回のベストで唯一良かったのは、初期楽曲のリマスター音質だけであった。

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椎名林檎と東京事変

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何が切っ掛けだったのか?

ふと、椎名林檎が聴きたくなった。わたしは椎名林檎のファンであった。このブログの最初の記事は椎名林檎の「カリソメ乙女」のレビューだったと思う。DL限定シングルと、当時は画期的な販売方法だと思った。

しかしながら、東京事変は・・・好きになれない。別に嫌いではないのだが、椎名林檎が東京事変を結成した頃から、急速に彼女に対する興味は薄れていった。前作「競技」はCDを購入すらしなかったし、今作「大発見」も買わずにいた。

何が切っ掛けだったのか? 突然思い立ち、「競技」「能動的三分間」「大発見」「空が鳴っている」をまとめて大人買い。※それ以外のCDはシングルも合わせ全て持っているのでした・・・。週末にかけて、金曜日~土曜日でiTunesに全部入れて聴きなおしている。

ちなみに、久しぶりにCD-BOX「Mora」を聴くと、以前は気がつかなかった「リマスター音源」のクリアな音に驚いた。

椎名林檎を初めて聴いたのは「歌舞伎町の女王」だった。ラジオで流れたこの曲を聴いて、「昔の曲なのにいい曲だな」と思った記憶がある。が、歌詞の中に「JR新宿駅」という言葉があるのに気がつき・・・昔の曲でないことがわかった。

アーティストの名は「椎名林檎」。

まだアルバムすら出ていないデビューしたての新人。

そしてその後、ラジオで流れた「ここでキスして」を聴き、CDを予約し、どっぷり椎名林檎にはまっていった。

が・・・なぜ東京事変は好きになれないのか?

多分、サウンドの変化、歌詞の変化、そんなものについて行けなかったのだろう。その当時、私は海外のガレージ・サウンド・リバイバルのバンドにはまっていた時期でもあった。

東京事変は・・・バンドとして上手すぎるのだ。椎名林檎の持ち味だった切羽詰まった感じや下世話な感じが無いって思う。勝訴ストリップの頃のようなオルタナティブ感が大好きだったのに・・・わたし。

改めて聴きなおす東京事変は・・・やはり好きではない。でも嫌いではない。これはこれで有かな? なんて思う。って、上から目線で申し訳ない。怒らないでね。

ちょっと驚いたのは、「娯楽」以降、椎名林檎の楽曲がほとんど無くなっていることだ。東京事変が結成された当時、結局は椎名林檎とバックバンドの皆さんだと思っていたのが、今は本当の意味で「東京事変」というバンドなのですね。

ただ・・・昔からずっと思うことなのだが・・・

椎名林檎も東京事変も、アルバムごとに音量にバラつきがあるのは・・・困る。まとめて聴くのに困るじゃん・・・。って、結局、サウンドエンジン使って音量均一化してしまったのでした。

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ニルヴァーナ ネヴァーマインド20周年記念

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最初に断わっておくが、わたしはニルヴァーナの大ファンである。

ネヴァーマインドをリアルタイムで聴き、その衝撃で、今まで聴き狂っていたHR/HMを全て封印して、カートと同じギターを買ってバンドを組んでニルヴァーナのコピーを演って、オリジナル・アルバムの何倍ものブートレグCDを買い漁り、カートが亡くなった後も、ニルヴァーナ関連のCDは必ず買っている・・・って、それくらいの大ファンである。

そんなニルヴァーナ大ファンのわたしは当然「ネヴァーマインド20周年記念スーパー・デラックス・エディション」を購入した。約2万円という高額商品である。別に購入したこを後悔していないし、逆に購入しなかったらきっと後悔するだろうと思っている・・・。

だが、正直に言うと・・・これは、わたしのようなニルヴァーナ大ファン以外の方は買うべきではない商品だと思うのだ・・・。

セット内容は・・・

①オリジナル盤のリマスターCD+シングルカップリング曲

②デモやライブなどを集めたレアトラック集

③ブッチヴィグがミックスした別バージョンのネヴァーマインド

④パラマウント・シアターでのライブCD

⑤パラマウント・シアターでのライブDVD

上記5品が豪華な写真集付きLPサイズジャケットに収納・・・。

現在、この中でスーパー・デラックス・エディションでなければ入手できないのは③と④だけである。先日、⑤の単品商品を某H○Vの店頭で見た・・・。そのうち④のCDも単品発売されそうな予感がする・・・。

③のブッチヴィグ・ミックスは・・・普通にネヴァーマインドである。確かに・・・発売当時からブッチ・ヴィグのミックスをプロのミキサーが調整した為にポップなアルバムになってしまったというのは有名な逸話だった。

カートはそれが気に入らず(結果、売れてしまったのでそう言ったのかもしれないが)次作はインディーズ時代のようなザラついた音にすると発言していたほどだ。

だが、③はたしかに迫力のある音だが、基本は同じアルバムである。こんなものはマニアの為のCDなのだ。

しかし・・・今回の20周年記念ってどうなのだろう? ファンは納得しているのだろうか?

産業ロックを心底嫌い、常に唾を吐き続けていたのに、気が付くと自分自身が産業ロックの中心に立たされ、自身の葛藤から心を病んで自殺した悲劇のロック・スターの作品が、ロックの記念碑として約2万円もの高額で販売される現状・・・。

正直に言って・・・わたしはどうでもいいと思っている。

だってカートはもうこの世には居ないのだもの。

だったら彼の残した数少ない楽曲が少しでも公に日の目を見るのは良いことだと思うのだ。

でも・・・何となく釈然としない気分。

ネヴァーマインド20周年って・・・確かに良いけど、カートの作品を全て最新リマスターして未発表やシングル・カップリングつけてボックスで発売しろよっ! って思う。

それをやらないから・・・産業ロックは嫌いなんだってカートに言われちゃうんだよ、きっと。

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マニック・ストリート・プリーチャーズが最新ベストを出すらしい。

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さて、今月末に発売される「マニック・ストリート・プリーチャーズ」のコンプリート・シングル・ベストアルバム。

コンプリート・ベストなんて名前は、既に解散したバンドっぽくて好きではないが、彼らは現在もバリバリ活動中のバンドです。※ベスト発表後に長期休暇に入るそうだが・・・既に新作のレコーディングも行ってるようで、いったい彼らの新作はどのタイミングで発表されるのか?※

マニック・ストリート・プリーチャーズって名前を聞いてピンッ!と来た方は結構年齢の高い音楽ファンではないだろうか? いきなり何言ってんだこいつ?って思われた方には申し訳ない。そういう私も年齢の高い音楽ファンである。

1992年にバンドが1stアルバムを出した頃から彼らの音楽を聴いている・・・リアル・タイム・マニックスを知っている音楽ファンである。

ちなみに、トップの写真・・・左からジェームスディーン・ブラッドフィールド(ボーカル&ギター)、リッチー・ジェームス・エドワード(ギター)、ニッキー・ワイアー(ベース)、ショーン・ムーア(ドラムス)である。

初期のマニックスはトップの写真から分かるように(マニックスを知らなければ、当然真ん中のリッチーがフロントマンと思うだろう)、リッチー・ジェームスの色が強いバンドだ。いや、バンドの原動力というかリッチーの発言や奇行そのものがマニックスのイメージだった。

※)注、全てわたし個人の意見で、資料などは一切見ていないので誤った内容・・・いやファンとしての想いや感想が多く含まれることをご了承下さい。ってことで本題に戻ろう。

インディーズで発売された「モータウン・ジャンク」の歌詞・・・「ジョン・レノンが死んだときは笑っちまったぜ。21年間生きてきた俺には何の意味もなかったからさ」・・・これが彼らを時代錯誤の勘違い馬鹿パンク・バンドと呼ばせた所以だった。

90年代(グランジとブリット・ポップが溢れる時代)に下手くそな演奏※本当に聴くに堪えれない内容です・・・。で登場して、しかも「俺たちは30曲入りの2枚組デビューアルバムを全世界で1位にして解散する。失敗しても解散する」と豪語して、そんな彼らを「ただのハッタリだけの偽物」と疑ったインタビュアーの前で自らの腕に4REALとカミソリで刻み(そのまま病院に運ばれ17針を縫う大怪我)、で・・・発売されたのは18曲入りの1枚組のアルバムで、イギリスのチャートではそこそこ頑張ったものの、結果は惨敗・・・。

「やっぱり、解散宣言は取り消します・・・」って。

この危険なムード(?)を一人でブチマケていたのがリッチー・ジェームスだったのだ。

わたしが彼らを意識しながら聴きだしたのは解散宣言撤回後に発売された2ndアルバム「ゴールド・アゲインスト・ソウル」からだ。もちろん1stも聴いていたが、印象的にはガンズに影響されたイギリスのポップ・パンクって感じだった。

だが2ndは「これぞイギリスのバンド」っていう妖艶でメロディアスでしかもギターサウンドってわたしが最も好きな要素が全て入っていた。※今でもこのアルバムは(iPodで)頻繁に聴くアルバムである。1993年・・・今から20年近く前の作品なのにである。

ただの無謀な大馬鹿パンク野郎だと思っていたマニックスが、実は知的で音楽性の高い※しかも無謀なパンクの一面を持った※ミュージシャンだと知ったら俄然好きになっていったのである。

そして続く傑作アルバム「ホーリー・バイブル」が発売される。

まさに、わたしが想像するリッチー・ジェームス色の作品である。周囲に対し、敢えて無機質で無色で硬質で無感情なサウンドをぶちまけ・・・だが、まるで何かに怯えるように何もない部屋の隅に体育座りでひざを抱えて座り、誰かが優しく声をかけてくれるのをビクビクしながら待っている・・・そんなイメージが目の前に浮かんでくるサウンド。って何だそれ?

聴き終わった後に・・・カッコいいとは感じつつ、感動もなければ印象深い曲もなく、でも嫌いな曲も一切なく、でも何度も聴きかえしてしまう・・・。このアルバムも当然(iPod)ヘビーローテーションの作品である。

マニックスのベスト・プレイリストを作る時に困るのがこのアルバムの存在だ。あまりにもアルバムとしてまとまり過ぎている。もし「ホーリー・バイブル」の曲を入れるならほぼ全ての楽曲を入れなければベストにならないし、入れないのなら・・・「ファスター」「PCP」というシングル以外は一切入れてはダメ・・・って、でも他の作品と全曲をシャッフルで聴くと違和感なく楽曲が聴ける・・・なんとも不思議な、いや・・・わたしのようなファンにとっては思い入れの深い作品なのである。

この作品が発表された後、リッチー・ジェームス・エドワードは謎の失踪を遂げる。(酒とドラッグ癖があり精神面も病んでいたそうだ)アメリカツアーに旅立つ直前、泊まっていたホテルから姿を消し、今も行方がつかめていない。※イギリスの法律上では(失踪からの年月で)死亡とされている。メンバーは今でもバンドのギャラをリッチーの分として銀行口座に振り込んでいるそうだ。※メンバーはみんなイギリスの田舎町で一緒に育った幼馴染であり、その絆は強い。実はリッチーはギタリストとなっているがギターはほとんど弾けなかったそうだ。彼の担当は作詞とバンドの原動力なのである。デビュー当初はドラムスのショーンも下手で、CDでは打ち込みが使われることも多かった・・・。

リッチー失踪後、バンドは解散も考えたが・・・リッチーの家族の後押しもあり、3人での活動を再開する。そして皮肉なことに・・・リッチーが居なくなり(健気なバンド青年たちのお涙頂戴系の話題もありで)人気に火が付き始めるのだ。

怪しく危険でカミソリのようなイメージと作詞センスを持つリッチーが居なくなったバンドは爽やかでポップなイギリスのロックバンドへと変化し始めたのである・・・。※悪い意味ではなく、それまでのパンキッシュなイメージから完全に脱却したという意味だ。

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4thアルバム「エブリシング・マスト・ゴー」は辛口イギリスメディアにも好意的に受け入れられた。だが・・・リッチー時代の彼らが好きなファンはがっかりしたはずだ。わたしも「リッチーが居なきゃ、こんなものなのか?」ってくらいにがっかりした。唯一リッチーが作品つくりに係わった「ケビン・カーター」以外の曲は駄作だと思った。

※念のために言っておくと・・・今の耳(リッチーの色に拘りが無くなった)で聴くと、実によくできた、売れる要素の高いアルバムだと思う。

更に5thアルバム「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」は爆発的にヒットすることとなるが、わたし個人では「マニックスは終わった・・・」ってくらいにバラードばっかりの演歌みたいなアルバムであった。

ここでマニックスを聴くのを一時的に止めてしまったくらいに「駄作」だと思った。

※当然、今の耳で聴けば・・・そこまで悪くない作品だと思う・・・が、やはり好きではない。

そして続く6thアルバム「ノウ・ユア・エネミー」ではロック色・パンク色・ディスコ色などバラエティ豊かなセンスをブチ込み戻ってきた。

更にバンド初の(10周年記念)ベストアルバムを発売する。※10月に発売されるベストは21周年記念(?)のベストアルバムだ。初ベストから10年経って2枚目のベストって、商業主義の邦楽とは明らかに違うベクトルの、ファン想いのバンドである。

10周年記念のベスト盤「フォーエバー・ディレイド」を聴いて思ったのは・・・マニックスのベスト盤って・・・面白くないってことだ。とにかく名曲が揃っている。優等生バンドの代表みたいに良い楽曲が満載だ。

このベスト盤に遅れること1年・・・実は「リップスティック・トレイス」という2枚組の裏ベストが発売されているのだ。この裏ベストの発売が・・・実はわたしのファン心を大きく揺り動かせてくれたのだ。

「エブリシング・マスト・ゴー」「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」で離れた心はなかなかマニックスに戻らず、10周年のベストでも「面白くない」と感じたわたしが「裏ベスト」で再びファンに逆戻りなのである。

「裏ベスト」・・・シングルにはなっていないがファンにはお馴染みのアルバム収録曲。って、マニックスの場合はそんな生易しいものではない。シングルのカップリングや企画作品に提供された楽曲で、アルバムにすら収録されていない隠れすぎた名曲・・・である。

実はこの「アルバム未収録曲」こそがマニックスの真骨頂なのである。

わたしも初期の頃の作品は買いあさっていた・・・。今では入手困難なCDも大量に持っている。それこそシングルだけで20枚以上ってくらいの量だ。※それでも初期から中期までの頃の作品だけである。

先日亡くなったIT界のカリスマ、スティーブ・ジョプス氏が音楽業界に革命をもたらせた商品・・・「iPod」

iPodの普及で音楽はデジタルコンテンツに移行し、要するに時間の枠を取り払った状態になった(個人的な感想ですよ)。そして作品(アルバム)がひとつのアイテムだという概念も薄くなっていった。

それまでのCD1枚75分って概念が無くなり、しかも(わたしがはまり込む分野だが)音量などの調整がPCでできる時代になった。90年代初期には考えられなかった出来事だ。

マニックスのようなバンドの作品を聴くには実に好い環境だと思う。※アーティスト側の意思には反することなのだが・・・。

マニックスはアルバムに拘るバンドなのだ。アルバム未収録楽曲が多いのはその為だ。(才能があり働き者っていうのもその理由だが・・・)

とにかくアルバム未収録曲のクオリティの高さが尋常じゃない。リップスティック・トレイスがそれを改めて証明してくれた(再認識)のだ。

駄作だから未収録ではなく、アルバムのイメージに合わないから未収録なのである。例えば演歌的にバラードばかりの「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」のシングル曲のカップリングにはハードエッジないつものマニックスが居たのである。

ジョンスペンサー・ブルース・エクスプロージョンが発表した「アクメ」という実験作品には同時にレコーディングされたアウトテイクだけで「エクストラ・アクメ」というロック・アルバムが作れるくらいの作品が存在したってのと同じだ。※ジョンスペの場合は正式な表「アクメ」よりアウトテイクを集めた裏「アクメ」の方がカッコよかった。

マニックスは現在2011年までに10枚の作品を発表している。外国の20年キャリアのバンドとしては作品が多い部類だ。アルバム楽曲を「表楽曲」とした場合、全作品をコンプリートしているわたしが持っている表楽曲は約150曲・・・。そして(まだ完全コンプリートしていない)アルバム未収録の「裏楽曲」が100曲。ライブやリミックスを除く。

つまり・・・10枚の表作品と同じくらいのボリュームでアルバム未収録の裏作品が存在しているのである。そしてジェームスディーン・ブラッドフィールドとニッキー・ワイヤーのソロ(各自1枚)を合わせると・・・ミックス違いやライブヴァージョンを除けて・・・270曲近い楽曲が存在するのだ・・・。

なぜわたしがiPodで聴くのが良いと言ったのか?

つまり、彼らの全作品を全て音量を揃えて(ベストと裏ベストが出てるので音量調整は比較的簡単)シングルに収録された裏楽曲をアルバムの中(シングル曲の後に収録順)に並べて聴くと・・・嫌いだった「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」でさえ、マニックスの作品になってしまうのである。※ただし、収録時間は17時間近くなるので注意。

これが、マニックスの凄さだと思うのだ。

マニックスは10周年以降も

「ライフ・ブラッド」というメロディックな楽曲満載の7thアルバム、「センド・アウェー・ザ・タイガー」というロック色の強い8thアルバムを順調に発表する。

そして・・・9thアルバム、2009年の問題作「ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ」を発表。この作品は全曲リッチーが書き残した散文詩を使用して作詞された作品だ。リッチー失踪後のマニックスが無くしていた危険な雰囲気が散りばめられた作品だ。

マニックスが歌う楽曲は当然だが英語である。

英語の歌って聴いても意味が分からないでしょ? って思われるだろうか?

はい、聴いてもまったく意味がわかりません。時々知ってる単語やフレーズが出てくるくらいで、後は歌詞カード頼り。でも・・・訳詩ってダサいんですよね。メロディに合ってるわけじゃないし、だからわたしは何となくの意味を理解したらその後は一切歌詞カードなんて見ませんね・・・。

ええ? だったらリッチーが作詞したから「カッコいい」って矛盾ですよね? だって歌詞の意味がわからないんですもの・・・。

いいえ、そこがリッチーが普通の天才詩人ではない所以。

マニックスの3rd「ホーリー・バイブル」を聴いたら理解できます。今まで(他の洋楽で)聴きなれたフレーズや言葉がほとんど登場しません・・・※同じ単語が出ていてもメロディへののせ方がまったくの別物。ホーリー・バイブルを聴いて、歌詞カード見なかったら「何語で歌ってるの?」ってなるのに、歌詞カードに並んでいるのは読み方の知ってる英単語・・・。

流石にリッチー本人が居ないから、ホーリー・バイブルほど露骨にリッチー色にはなっていないが、それでも今までとは明らかに色が違うアルバムが登場したのだ・・・。

そして、2010年には僅か1年で新作「ポストカード・フロム・ア・ヤングマン」を発表。前作で全ての毒を吐きつくしたかのように爽やかでポップで・・・わたしが大嫌いな作品を出しているのだ。

そして2011年・・・最新ベストアルバムの登場である。

収録曲は・・・名前の通り、デビューシングルから最新シングルまでの表題曲が全収録+新曲である。

多分・・・面白くないアルバムになるだろう。楽曲が良すぎるし、名曲しか入っていないじゃないか・・・ってね。

わたしとしては、同時にリップスティック・トレイス2も欲しいところであるが・・・ファンの皆様はどうだろう?

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