音楽・サザンオールスターズ

桑田佳祐 MUSICMAN ファースト・インプレッション

桑田佳祐のソロ・アルバム『MUSICMAN』を聴いた。と言っても、仕事帰りに購入し、家へと帰る車内のカーステレオで10曲目くらいまでしか聴いていない。その限られた時間で限られた聴き方で最初に思ったのは・・・おかえりなさい、桑田さん! である。

これは病気を克服して不死鳥の如く復活した桑田さんへの「おかえりなさい」ではなく、純粋に今回のアルバムに対しての感想だ。

わたしが今回のアルバムに最初に感じたのは、80年代~90年代の黄金時代の楽曲センスが蘇っているということだった。もしこのアルバムが80~90年代のサザンの未発表楽曲ですと言われたらそれを信じてしまいそうなほどである。

桑田さんの過去のソロ作品は・・・好きな楽曲は多いが好きなアルバムは無い。サザンのアルバムならアルバム単位でお勧め作品を紹介できるが、桑田さんのアルバムではそれが出来ないと思っていた。

例えば1988年の作品「KEISUKE KUWATA」である。楽曲の完成度は流石に黄金期の作品だけあって秀逸で駄作は無いし、当然、今聴いてもカッコよいと思う。だが、20年以上前の作品だ。サウンドが古臭い・・・。コッテコテの80sサウンドである。

1994年の「孤独の太陽」。渋い大人のフォーク・ロックである。だが、あまりにも大人過ぎてポップ感が薄い作品である。サザンとは明らかに違う路線で突っ走った本当の意味でのソロ作品って感じだ。渋すぎて聴き難い作品だと思う。

2002年の「ROCK AND ROLL HERO」。無骨な大人のロック・バンド的作品だ。名曲も多く、悪くない作品なのだが、なぜだろう? 後半になるにつれて聴き難くなってくる。わたし的にはノスタルジックなサウンドと歌詞が60年代の昭和をイメージさせる。※わたしは当然生まれてないのだが・・・。なんだか、重い印象が強い。

その反面、シングル作品はこれぞ桑田佳祐って作品が多い。「波乗りジョニー」や「ホワイト・ラブ」なんて、そのままサザンで歌ってよってくらいだ。

若い(と言っても10代は違うだろうが)桑田佳祐ファンの中には上記2曲あたりからファンになった方も多いだろう。だが、この2曲は90年代以降のサウンドだとわたしは思う。

初ソロ以降の桑田さん(サザン)の作品は洗練されたポップ要素が強いのだ。悪い意味ではなく、スケールアップしたという意味だ。だが、それ以前のサザンの持ち味だったスタイルの多様さは薄れてしまった気がする。もちろんそれはメロディや歌詞に対してではない。アルバムの作り方に対してである。

90年代以降のサザンはアルバムのコンセプトが強い。※わたし個人の意見である。アルバム単位で完成された作品が多いのだ。だが80年代のサザンは違っている。もちろんアルバム単位も良いが、収録された楽曲が個性豊かなのだ。アルバムのトータル性は薄いが聴いてて楽しい作品が多いと思う。当然それはシングル以外の楽曲が秀逸だからなのは言うまでもない。

今回の『MUSICMAN』はまさにその流れを感じる作品だと思う。バラエティ豊かな名曲が大量に詰まった作品・・・。黄金期の桑田さん、おかえりなさいと言いたいのだ。近年のサザンにも感じることのできなかった・・・と言うか、音楽活動が長すぎて流石に才能も底が尽きてきたのかな・・・と思っていた往年のファンがゾクッとするくらいの作品が登場なのだ。

だが、実際にはまだ10曲目までしか聴いていない・・・。

おいっ! 全部聴いてからレビューしろっ! って突っ込みは勘弁願いたい。申し訳ない。全部聴く前にレビューしたくなるほどの傑作ってことで、興味のある方は是非、聴いていただきたいと思う。

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サザンのリマスターCD収納BOXが届いたのです!

20080731 さて、昨年末に発売されたサザンオールスターズのリマスターCD14作品。

初回デジパック仕様に付いていた特典・・・

応募券を14枚貼って応募すると、応募者全員に14枚収納可能なBOXをプレゼント!ってのがありました。はい、ちゃっかり・・・いや、しっかり応募してました。

その特典BOXが届いたのです。

わぁ~パチパチ~拍手拍手ぅ~!!!

なんか?予想していたものよりもコジンマリしてて、

「ホントに全部入るのかね?」って思ったけど・・・。はい、しっかり入りました。

初回盤はデジパック仕様なもので、通常のCDケースのようにキッチリ蓋が閉まるようなものではなく、油断するとベロ~んとダラシナク収納ラック内に広がってしまってたんですが、今回の収納BOXのお陰でスッキリ収納になりました。

・・・収納収納って・・・なんかクドイね・・・?

デザインはっていうと、14作品のジャケット※ちょっと古びた感じのもの。をセロテープなんかでBOXに貼り付けたコラージュ的なデザインです。表面はフィルム加工をしたようなツルツルの質感でして、中は黒地に14って数字が大きく表示されています。

サザンは活動休止しちゃいましたが、彼等の作った作品は色褪せることなく、夏が来れば思い出すってとこで・・・※私は冬でも聴きますけどね。活動再開まで、14作品を・・・いやいや!シングルからなにから全作品、それこそ入手可能な既存曲は全楽曲持っている私なので、今年の夏もきっとサザン全開なんだろうねぇ~。

応募して、まだ届いていない方は楽しみに、ね。

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サザンのリマスターCDをレビューパート10

さて、12月2日に発売されたサザンオールスターズのリマスターCD14枚のレビューを10回に分けて書いてきたが、リマスター音質にあまり触れていないレビューが多いことに気が付かれたでしょう・・・。今回のサザン・リマスターを聴いて思ったこと・・・30年も前の楽曲が聴けるのは良いってことだけである。

元々、天才ギタリストや凄腕プレーヤーを有するバンドではないのだ。楽曲の良さで勝負のバンドなのである。音が古臭いと云う理由で聴かなかった若い音楽好きの方々にも聴いてもらえる機会、それがリマスターの良いところだと思うのだ。

Gyaos サザン30周年記念シングルI AM YOUR SINGERは正直・・・ハズレである。30周年、無期限活動休止などの話題からサザンを聴いたリスナーは可哀想だ・・・と感じる。

私が90年代初期のサザンが好きなのは、20代の頃、彼女とのドライブで夏にカーステレオから流れていたのがこの時期のサザンだったからである。思い出の楽曲が多い時期なのだ。

しかし、やはり偉大なバンドなのだ。

流行廃りの多い日本の音楽界において、30年に渡り常に最前線に立ち、過去の人みたいに忘れ去られる事無く、しかも今回の活動休止さえ「人気の衰え」が理由ではない。50歳を超えるミュージシャンでここまで現役の若いミュージシャンにリスペクトされるバンドは稀である。

名曲が多いバンド・・・だが、それ以上に迷曲も多いバンド・・・。時に万人を泣かせる切ないラブ・ソングを唄い、時に社会を痛烈に批判するメッセージを唄い、時にハゲヅラを被り意味不明なシモネタを唄い、民族音楽を唄い、ブルースを唄い、デジタル・ロックを唄い、歌謡曲を唄い、あらゆる音楽ジャンルを網羅した・・・日本語をロックのビートに融合させた偉大なるバンド・・・それがサザンオールスターズなのである。

・・・中学生の甥っ子が云うには・・・おっさんバンドに興味無い!!!

なんて言葉に負けずに、再始動を待ちたいと思うのである。

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サザンのリマスターCDをレビューパート9

Vicl63315 2005年に発表されたのが現時点での最新アルバムキラー・ストリートである。サザンは終わった・・・だとか、これで解散か?と物議を呼んだアルバムである。

私も正直に云って「解散」か?と思った。

と云うのは、今までに発表されたシングル曲が詰め込まれたからである。なんか・・・全部ぶち込めって感じ・・・。出すもの出しました・・・みたいな?である。

全30曲のボリュームだが、このアルバムは価格設定に問題がった。限定盤が4500円、通常盤でも4200円である。今回のリマスター盤は3200円なのでお買い得?である。

とにかくボリュームだけが大きい!って印象のアルバムだ。収録された楽曲・・・出来は悪くないのだが良くもない。「驚き」が無い反面「不発」も無く、30曲を一気に聴くにはツライアルバムなのだ。

まぁ・・・例えば前作さくらで披露されたサザン・ラップ・・・私は失敗だと思うのだ。日本のミュージック・シーンが大きく変動し、取り残されたサザン・・・それがキラー・ストリートを生んだように感じた。悪い意味ではないのだが、サザンオールスターズという音楽ジャンルが今の音楽シーンには合わなくなったのではないだろうか?

悪い意味ではないと云ったのは、例えば※個人的意見ではあるが。最近の売れてるミュージシャンの殆どは2番煎じ的に聴こえるということだ。売れているジャンルのサウンドに売れそうな詩とラップを組み合わせ、これ・・・誰だっけ?みたいな、ブームが過ぎれば過去の人・・・って、そんなアーティストが多いように思うのだ。

これについては、そのアーティストだけではなく、レコード会社などにも問題はあるのだろうが・・・。

だが、サザンの2番煎じアーティストってのは、売れないだろう。サザンはサザンなのだ。キラー・ストリートに不満を持った若いファンは80年代の名盤を聴いて頂きたい。多分「え?」ってくらいに完成度の低さに驚くだろう・・・。これも悪い意味ではない。レビューパート1にも書いたが、誰にでも解る楽曲と難解でマニアックな楽曲が混在してこそのサザンなのだ。キラー・ストリートは完成度が低いのではなく、解り易いのだ。聴けば聴くほど味の出る楽曲が少ないのである・・・。

私的にはもうちょっと馬鹿馬鹿しい楽曲が多くても良かったと思うけど・・・。

リマスターについては、3年前のアルバムをリマスターする必要は無いってトコか。

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サザンのリマスターCDをレビューパート8

Vicl63313 1996年、前作から3年以上のインターバルを置き登場したのがYoung Loveである。ドラマ主題歌の影響もあり大ヒットしたアルバムである。

さて、ここまで8回に渡りリマスターCDのレビューを書いてきたが・・・そう云えば肝心の音質について触れる機会が少なかったように思う・・・。何やってんだ!って、お怒りの声が聞こえそうなレビューである。

8回中で何度か書いたが、今回のリマスター盤は「驚く程の変化を感じない」と云うものだ。これはリマスターの質が悪いという意味ではない。逆である。オリジナルの音源が壊れないようなリマスターということだ。例えば70年代のアーティストのCDがリマスターされたりする場合、明らかに高音質になったと感じるのは各楽器の音の輪郭が明確になり、ギターのボリュームが大きくなってたり・・・。

サザンのリマスター盤の特徴は、そこら辺がの楽器パートの音量に手を入れて無いってことだ。

オリジナル盤でこもっていた音に広がりが出た・・・とでも云うのか。その為、一聴きすると変化を感じないのだ。実際に購入した方はオリジナルと聴き比べて頂きたい。特に90年代のアルバムでは広がりの在る音の抜け具合を感じられるだろう。※70・80年代は元々の音量に差があるし、明確に音質が向上しているので参考にならない・・・。

さて、ヤング・ラブだが・・・前作世に万葉の花が咲くなりで打ち出した新サザン・サウンドから一転、原点回帰的な作品となっている印象を受ける。いや、70年代にまでは戻っていないのだが、80年代の中期辺りであろうか?その為・・・悪いアルバムではないのだが、物足りなさを感じたものだ。良い意味でも悪い意味でもポップなのだ。

う~む・・・ここら辺は表現が難しいのだ。

世に万葉の花が咲くなりのサザンは陰のイメージ、ヤング・ラブは陽のイメージと云えばいいのか?全体を通して重さが無くアッケラカンとしている。フックの効いた楽曲が少ない・・・。

Vicl63314 1998年のさくらは打って変わって今までのサザン・サウンドを覆す作品となった。爽やかな路線は封印され、重く圧し掛かるサウンドである。

※その為・・・商業的には失敗作と云われた。

14枚中でも最も異質なアルバムである。私が受けた印象としては世に万葉の花が咲くなりをよりヘビーにした感じだ。

歌詞も現代社会に対する怒りや葛藤が多い。リマスター音質に関しては・・・正直ここまで最近のアルバムをリマスターする必要が在ったのか?とも思えるのだが。

サザン・ファンにも賛否両論が分かれるアルバムだろうが、例えばヤング・ラブのような聴きやすいアルバムよりも深みがあり、聴けば聴くほど良さがにじみ出るタイプのアルバムだと思っている。

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サザンのリマスターCDをレビューパート7

Vicl63312 1992年、サザン・ファンなら「最高傑作」と云う称号に異存を唱える人は少ないであろうアルバム、世に万葉の花が咲くなりが発売された。

プロデューサーに小林武史さんを迎えたこのアルバムは非常に完成度の高いアルバムである。リマスター音源を聴くと、オリジナルの時には気が付かなかった細かい音の輪郭が浮かび上がっている。ドライブ中にそれらの細かい音に気をとられ、肝心のメロディを聴いていない・・・なんてことも在ったくらいだ・・・。それって?いいのか?悪いのか?

楽曲も過去に無いくらいにバラエティに富んでいる。

このアルバムが出た当時・・・あまりの完成度の高さからか?サザンはこのアルバムで解散するのでは?という噂まで飛び出した。私の印象としては、名盤KAMAKURAを濃縮し、90年代の音楽性で還元した!って感じだ。

今の若いリスナーはどう思うか解らないが、先行シングル「シュラバ・ラ・バンバ」を聴いた時の衝撃は凄かった!今までのサザンには無いタイプの楽曲だったのもあるが、シュラバ・ラ・バンバなんてフレーズは楽曲内に一度も登場しない・・・。修羅場穴場女子浮遊である。これを普通に聴くと・・・「しゅらばなばじゃすとぅゆぅ~」と聴こえ、英語フレーズだと思ってたのに・・・。桑田さんはやっぱ天才だわ。

が、ここら辺からサザンの創作スピードは極端に遅くなってしまうのだ。

ソロ活動なども影響しているのだろうが、正直・・・オンリー・ワンの音楽性を持ち、常に新しい驚きでファンを喜ばせるサザンである。桑田さんも人である以上・・・才能にも限界が在るってことだろう・・・。

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サザンのリマスターCDをレビューパート6

高校の文化祭で仲の良かった女の子が「KUWATA BAND」のコピーを演った。

その女の子が嬉しそうに「すいか」を聴いていたのである。カセットテープに録音してもらい聴いた・・・。その後、私もサザン大好きになった。それまでサザンに対し抱いていたイメージは「バラードが得意な歌謡ロック・バンド」であったが・・・「スケベ全開の面白ロック・バンド」に変化していたのである。

そこに飛び込んできたのが「女神達への情歌」である。

これって・・・エロ・ビデオ大好きって歌じゃん!

Vicl63310 1990年に発表されたSouthera All Starsである。

オープニングを飾る「フリフリ65」は今までのサザンとは明らかに違う骨太のサウンドであった。衝撃のアルバムである。

それまでのサザンに感じていた、どこか田舎臭い歌詞やメロディは洗練され?サウンドも太く、ギターの音も大きい。桑田さんのボーカルも磨きが掛かった印象である。今回のリマスターで更に音が分厚くなったように思うのだ。各楽曲の輪郭がクリアになり、正直・・・初めて聴いた時と同じくらいの高揚感がある。

楽曲も非常に良い。

スケベパワー全開の「フリフリ65」「女神達への情歌」、切ないバラード「OH!GIRL」「さよならベイビー」「逢いたくなった時に君はここにいない」、ロック全開の「悪魔の恋」など、現在のサザンのサウンド※音。が確立された名盤である。

前作KAMAKURAまでの音とは明らかに音質が異なる。これは、私的には桑田さんのボーカルスタイルに厚みが出たことが理由に感じた。※これは発売当時に思ったことだが・・・。

私は初回限定のデジタル腕時計付きのCDを購入したのだが、残念なことに・・・時計は壊れて無くしてしまったのだ。箱は今でも大事に取ってあるのだが。このCDはとにかく聴いた!どれくらい聴いたかというと、ケースはボロボロ・・・歌詞カードは黒く変色し、擦り切れ破れた部分をセロテープで補修・・・だがCDには殆ど傷が無い。大切に大切に聴いたからである。高校~大学になっても聴いていた。

とにかく思い入れの強い1枚であった。

Vicl63311 1990年には稲村ジェーンも発売されている。

発売当時、これはサザンのニュー・アルバムとは思っていなかった。映画のサントラであり、コンピレーション・アルバムという位置づけだったのだ。

今回のリマスター発売では明確にサザンの10thアルバムとして発売されている・・・。いいのか?それで・・・。

大ヒットナンバー真夏の果実やサザン楽曲の中でも絶大な人気を誇る希望の轍が収録されているのだが、希望の轍はサザン名義の楽曲ではないと思うのだが?

まぁ、そんなこんなでこのアルバムは殆ど聴いてないアルバムだ・・・。曲と曲の間に入る寸劇も邪魔である。

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サザンのリマスターCDをレビューパート5

Vicl63306 1983年に発売された綺麗は今までのサザンとは微妙にニュアンスの違うアルバムではないだろうか?

私が「初期」と呼ぶサザンの唄は、ひと夏の恋であったり、スケベ願望全開ソングを、時に馬鹿馬鹿しく・・・時に切なく唄っていた。が、この綺麗からは物語的な詩や社会派ソングの前身のような詩が登場するのである。

オープニングを飾る「マチルダBABY」を初めて聴いた時にはぶっ飛んだ!

わ!どうしよ、斧持った番人、顔は強面、目は虚ろ、今がちょうど飛び込むチャンス、身を乗り出した途端、非常ベルRING ON!

なんて詩が・・・早口で、それこそ歌詞カード見なきゃ理解不能な口調で歌われているのだ。

もちろん、従来の切ない恋唄も満載である。

リマスターされたことで、凝ったサウンドの輪郭をハッキリ聴くことが出来る。ただ・・・残念なのは80年代的なポップ寄りのサウンドに移行を始めた部分だろう。まぁ・・・これに関しては、私が80年代の打ち込みやシンセ系のサウンドを好まないだけの話だが・・・。

サザン楽曲全体を見た場合、綺麗に収録された楽曲はマイナーな楽曲が多い。ヒット曲中心のアルバムではなく、ファンに人気の楽曲が多いのだ。これは、次作の「人気者でい行こう」と「KAMAKURA」の出来が良すぎるせいでもある・・・。

Vicl63307 1984年に発売された人気者で行こうは傑作アルバムである。

大ヒット・ナンバー「ミス・ブランニュー・デイ」を始め、現在のサザンにも通じる摩訶不思議日本語で唄われる「JAPANEGGAE」、弾けたナンバーの「開きっ放しのマッシュルーム」、ポップな「あっという間の夢のTONIGHT」「夕方HOLD ON ME」、切ないナンバー「海」「Dear John」、サスペンス物語風の「メリケン情緒は涙のカラー」、インスト・ナンバー「なんば君の事務所」、意味不明なロック・ナンバー「祭はラッパッパ」などなど・・・捨て曲は一切無い。アーティスト・サザンオールスターズの本領発揮である。

しかも、これほどの名曲が詰め込まれたアルバムにして、シングル表題曲は「ミス・ブランニュー・デイ」の1曲だけだ・・・。※なんば君の事務所はカップリング、またJAPANEGGAEはアルバム未収録シングル「TARAKO」に英語バージョンが収録された。

Vicl63308 そして1985年、第1期サザンの最高傑作KAMAKURAの登場である。※第1期とは、この後に原由子さんの産休の為「最初の活動休止期間」に入るからである。

2枚組み、全20曲の大作である。

この大作の音源がリマスターされたのは嬉しいが・・・不思議とリマスターの良さが伝わらないのは何故だろう?いや・・・決して音が悪いのではない。非常に聴きやすくなっているし高音質である。やはり・・・80年代テイストの問題かな?

それでも80年代サザンの集大成アルバムである。

バラエティに富んだ楽曲、切ないラブ・ソングから物語風ソング、社会風刺ソングに至るまで、あらゆる楽曲で埋め尽くされている。2枚組みと云うことや、活動休止前のアルバムということで「キラー・ストリート」と比較されがちなアルバムだが、メリハリの利いている点や各楽曲の独創性、聴きやすさなどはKAMAKURAの方が上かもしれない。まぁ・・・20年も前のアルバムなので比較対象に挙げることが間違っているようにも思うが・・・。

発売された当時はiPodのような便利アイテムが無く、ぶっ通しで聴くなんて出来なかった時代である。CDとアナログ・レコードの移行時代でもある。この時代の楽曲やアルバム創りは今よりも凝っていたんじゃないだろうか?アルバムの流れや楽曲の配置などが約30分刻みで計算され、その中で楽曲の強弱が配置されていく。それが聴きやすさに繋がっていると思うのだ。

多少の古臭いテイストは残るものの・・・今の耳で聴いても「良い」アルバムである。リマスターされたことで生まれ変わった第1期の最高傑作は是非とも聴いて頂きたい。

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サザンのリマスターCDをレビューパート4

Vicl63304 1981年発表のステレオ太陽族である。タイトルからも解るように、サザン=夏。というサウンドが確立されているが、やはり私的には地味な印象のアルバムである。

と云うのも、前作タイニー・バブルスからステレオ太陽族の間に発表されたシングルが名曲揃いだったからであろう。

いなせなロコモーション、ジャズ・マン、忘れじのレイドバック、シャララ・・・。

これらの名曲はアルバムには収録されなかった。それでも収録曲は名曲が多い。

「ビッグ・スター・ブルース」「栞のテーマ」「My Foreplay Music」などは初期の代表曲である。が、その反面・・・ファン以外は知らないだろう?って曲も多いのだ。これはビートルズなどの有名なバンドにも云えることだろうが、代表曲は有名でもアルバム曲は知られていない典型である。

その分、初めて聴く人にとっては嬉しいのだが・・・。

Vicl63305 1982年に発表された「NUDE MAN」は名作である。

先に出されたチャコの海岸物語※アルバム未収録。のヒットもあり、また、研ナオコが唄いヒットした夏をあきらめてなど、アーティストとしての桑田さんの天才的メロディが開花した時代ではないだろうか?

今までのサザン的な楽曲とは異なる「逢いたさ見たさ病めるMY MIND」「女流詩人の哀歌」や、典型的な歌謡ロック「匂艶 THE NIGHT CLUB」、ファンに絶大な人気を誇る「Oh!クラウディア」など魅力的な楽曲が満載である。※桑田さんはこのアルバムが好きではないと云っていた気もする・・・。確か、シングルや他アーティストへの提供曲がヒットし、その流れで売れたのが気に入らない的な意見だったと思う。

弾けた楽曲は少ないものの、デビュー時のコミック・バンド的イメージやキワモノと云ったレッテルは既に皆無である。初期のアルバムで、私がイチバン多く聴いたのもこのアルバムである。シングル曲よりもアルバム曲の方が出来が良く、ビートルズで云うなら「ラバー・ソウル」的とでも表現したい。

リマスターされた高音質を意識することなく、楽曲本来の良さだけでアッサリ聴けるだろう。だが、このアルバムに収録された楽曲の殆どが「すいか」以外のコンピ盤に収録されることは殆ど無かった。ビートルズが好き!と明言する桑田さんらしい?とでも云うのか?ヒットしたシングル曲をアルバムに収録しないスタイルには困ったものだが、待ちに待ったリマスター音源の登場に心躍らされた!

※今回の14枚中、イチバン最初に封を切ったのもこのアルバムであった。そして最初に再生したのはOh!クラウディアである。※この楽曲は「すいか」にも未収録である。

私的には初期サザンはこのアルバムまで・・・という意識が強い。

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サザンのリマスターCDをレビューパート3

Vicl63302 1979年に発売されたセカンド・アルバム。

10ナンバーズ・からっとである。超名曲いとしのエリーが収録されている。が、私的には非常に地味な印象のアルバムである。勝手にシンドバッドのインパクトが強かった前作に比べ、アーティストとしての力量を求めた作品であるそうだ。まぁ、小学生だった私にとってはバラードの良さが理解出来ないのもいたしかた無いことだろう・・・ってトコか?

リマスター音源で気になるのは、オープニング曲「お願いDJ」の音質が他の楽曲に比べ軽く聴こえてしまうコトだろう。気のせいかもしれないが・・・。

このアルバムが地味に思えるのは、アルバム全体を通して弾けた楽曲が少ないコトだ。コミック・バンド的だった前作から一変、名曲的なナンバーへと変化しているのである。

Vicl63303 1980年に発表されたタイニー・バブルスでもその流れが伝わってくるが、こちらは非常に印象の強いアルバムである。私的には初期サザンの名曲満載的にも思える。

オープニング曲「ふたりだけのパーティ」は・・・やはり他の楽曲に比べ軽くおもえるのだが・・・。何かスカスカとして音に厚みが足りないように思う。今回のリマスターは単曲ではなく、アルバム単位で行われたのであろう。

収録曲を見ると、超名曲「C調言葉に御用心」を始め、「タバコロードにセクシーばあちゃん」「私はピアノ」「涙のアベニュー」「TO YOU」「恋するマンスリーデイ」などなど、名バラードから一癖も二癖も在る迷曲までバラエティに富んでいる。

リマスターのお陰でベース音が分厚い。いや・・・厚すぎる気もするが・・・。

私的な感想で申し訳ないのだが、前2作のアレンジに顕著だった「ラテン的ノリ」は薄く、現代にも通じるポップ・ロックなアレンジへと変化したようにも思う。初期のアルバム購入を悩む場合、このアルバムから購入しても良いだろう。

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