« WAVEゲイン 音量均一化の優れものソフト | トップページ | 90’s ROCK 第2回 »

90’s ROCK 第1回

90年代の音楽は、私にとってのバイブルだと思う。
いや、バイブルというよりは・・・最も多感な時期に聴いた青春時代の音楽だと思う。

それが・・・グランジ・ロックだった。

Kart_2ニルヴァーナとの出逢いである。

それまでの私は、ハードロックとへヴィメタが大好きな真面目な青年だった。
ガンズ、メタリカ、メガデス、イングヴェイ、ヴァン・ヘイレン、モトリー・クルー、スキッド・ロウ、ハロウィーン、AC/DC、レインボウ、スティーヴ・ヴァイ、クイーンズライチ、デフ・レパード、マイケル・シェンカー・グループ etc・・・
数えだすときりが無いが、メタル以外は音楽じゃないと思っていたくらい、へヴィーなサウンドに夢中だった。

だが、初めてニルヴァーナを聴いた時の衝撃っ!
テクニックも技も無いギターをかき鳴らし、ポップなメロディを腹の底から絶望的に絶叫し、客席に飛び込み、マイクスタンドを倒し、ドラムセットに飛び込み、アンプを破壊し、ギターを叩き折り、ステージに這いつくばり・・・命削ってROCKしてますってその姿・・・。

プロ野球の華麗なテクニックではなく、この試合に負けたらそれで終わりっていう、高校野球の本気と気迫と熱さ・・・。その姿に心を奪われたわたし・・・。

全てのHR/HMのバンドを捨て(それは大袈裟だけど)インディーズの音楽に目覚めてしまいましたとさ。

ニルヴァーナは・・・もはや説明の必要も無いくらいこのブログでも紹介してるし、有名なバンドなので説明は省略するが・・・いや、やっぱり省略せずに書くのだが、1989年にインディーズでデビューし、1991年に発表したメジャー1作目「ネヴァーマインド」が爆発的ヒットを記録したグランジ・バンドである。

リアルタイム世代の私が聴き始めた頃は、まだグランジという呼び方は普及してなくて、「ノイズサウンド」と呼んだりしていた。・・・が、すぐにグランジという名が登場し、飽和していたと思われたROCKに新たなジャンルを作った偉大なバンドといて一躍有名になったバンドだ。
そう、それまでの音楽には明確なジャンルが存在していたのだ。
POPSはPOPSで、ROCKはROCK、PUNKS、HR/HM、HIPHOP、DANCE、etc・・・
当時はそれらのジャンルが「交わることはない」時代だった。
女の子に人気のハード・ロック・バンド「ボン・ジョヴィ」は・・・「あれはアイドル・バンドだから」ってHR/HM好きの人にはバカにされるポップロックだった。
HR/HM好きの人はPOPSやPUNKは聴かないでバカにしてたし、PUNK好きの人はHR/HMをダサい音楽とバカにしていた・・・。

そこに、へヴィーなのにポップで、しかもパンキッシュなバンドが登場し、爆発的に売れ、そんな彼らが「メジャー批判」を行い、当時大人気だったガンズを名指しで批判し、音楽業界は一夜にしてインディーズ・ロックに支配されてしまったのである・・・。

政権交代である・・・。

ここで良かったのは、それまでインディーズで絶大な人気を誇っていたバンドが次々に表舞台に登場したことだ。
・・・実際にはニルヴァーナよりも先にメジャーデビューしていたバンドもいたが、ほとんど同列に扱われていた。

ソニック・ユース、ピクシーズ、スマッシング・パンプキンズ、ストーン・テンプル・パイロッツ、パール・ジャム・・・
彼らの特徴は、メジャーの制限が無かったため、自分たちが好きなサウンドを好きに演奏していたことだ。

他ジャンルとのミックスや実験音楽、サイケデリック・・・。ソニック・ユースが残響ギターノイズの中で暗くシットリとカーペンターズを歌う・・・。ポップスの代表のようなグループが大好くな残響ノイズ大王バンドって・・・。

今まで聴いたことのないサウンドに・・・夢中になるのは当然だった。
そして当然のように彼らがリスペクトする他のバンドを聴き、他のジャンルを聴くようになり、音楽の聴き方が変わってしまったのだ。

音楽をジャンルで括って「他のジャンルを聴かない」なんて有り得ない時代がやってきた。

それがニルヴァーナの登場だったのだ。
ニルヴァーナの音楽が偉大なのではなく、ニルヴァーナが売れたことにより、音楽には様々な表現方法があるという、インディーズの考え方がメジャーに浸透したことが偉大だったのだ・・・と私は今でも思っている。

私の個人的な意見であることは言うまでもない。

実は、私にとっての音楽の革命は、インディーズ・バンドを知ったことと、70年代の音楽を知ったことである。
当時はインターネットが無い時代だったので、70年代の音楽を聴くには雑誌で紹介されるごくわずかな有名人・・・しか方法が無かった。
が、カートが好きだと言うアーティストならって、CDを探して購入。そして、その時代の人気バンド(CDの解説に紹介された同時期の有名バンド)なんかも聴き漁り、かなり多くの70年代アーティストを聴いた。(正確には60年代後半~70年代中ごろまで)。

インディーズバンドと70年代バンドの共通点は何か?
それは、どちらも生演奏が多く、多少雑な印象で、80年代のように作られた感が無いってことだ。※70年代のPOPSではなく、あくまでROCKの話である。
当然、自分が好きなアーティストがリスペクトするバンドなのだから、好意的な耳で彼らの楽曲を聴く・・・「やっぱカートが好きっていう音楽は好いよね」ってなって、また別のバンドを聴く・・・。

だが、ここで音楽シーンに問題発生である。
これは音楽業界の人間じゃない、リアル購買者の私ですら感じたことだが・・・インディーズ・バンドの発掘が進むにつれ、駄目なバンドが多くなってくる・・・けど、それらのバンドが「期待の新人」といて大々的に売りに出され、リスナーが聴いてガッカリするって、悪魔のサイクルが誕生してしまった。

そりゃ~そうだ。
グランジってジャンルなら何だって売れるご時世だ。
普通ならデビューすら出来なかったインディーズバンドが次々に表舞台に登場した。
が、彼らはインディーズバンドだ。昨日まで素人に毛が生えたようなバンドだったのだ。

本当に才能があるインディーズの顔(メジャーの制限が嫌でインディーズに居たバンド)と、メジャーにはなれないバンドの実力差は歴然なのだ。

さらに言うなら、インディーズってのは、悪い話、話題にならない音楽だったから、酒も女もドラッグも好きなようにやってた連中なのだ。勝手なイメージだが。
当然、有名になった途端にカートのスキャンダルが一斉に報道され始める。
カートがドラッグ中毒だとか、不幸な家庭環境で育ったとか、音楽とは関係ない話題が盛り上がる。
それに加えて、有名なインディーズ出身バンドがドラッグで逮捕されたり、オーバードースで病院に運ばれたり、最悪は死亡したり・・・。
とにかく、危険なインディーズ・バンドが多かった。
マスコミは当然のように記事にして儲けていく。
その標的は・・・最も人気のあるバンド、ニルヴァーナの問題児「カート・コバーン」である。

マスコミに追い詰められた結果・・・カートは自らの頭を銃で撃ちぬいて自殺するという最悪の結末。
そして、その後、さらに最悪だったのは、カートを追い詰めたマスコミが沈黙したということだ。それまでのインディーズブームが嘘だったように沈黙ムード。
当然、一気にインディーズブームは終焉。
本当に実力が無いバンドはその煽りで活動休止、解散・・・。
グランジ・オルタナティブ・ムーブメントは・・・わずか数年で終わりを迎えてしまうのである。

|

« WAVEゲイン 音量均一化の優れものソフト | トップページ | 90’s ROCK 第2回 »

★お勧めアーティスト」カテゴリの記事

★CDレビュー/個人的名盤」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

音楽・アルバム紹介」カテゴリの記事

音楽・90年代」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/199372/45068078

この記事へのトラックバック一覧です: 90’s ROCK 第1回:

« WAVEゲイン 音量均一化の優れものソフト | トップページ | 90’s ROCK 第2回 »