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マニック・ストリート・プリーチャーズが最新ベストを出すらしい。

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さて、今月末に発売される「マニック・ストリート・プリーチャーズ」のコンプリート・シングル・ベストアルバム。

コンプリート・ベストなんて名前は、既に解散したバンドっぽくて好きではないが、彼らは現在もバリバリ活動中のバンドです。※ベスト発表後に長期休暇に入るそうだが・・・既に新作のレコーディングも行ってるようで、いったい彼らの新作はどのタイミングで発表されるのか?※

マニック・ストリート・プリーチャーズって名前を聞いてピンッ!と来た方は結構年齢の高い音楽ファンではないだろうか? いきなり何言ってんだこいつ?って思われた方には申し訳ない。そういう私も年齢の高い音楽ファンである。

1992年にバンドが1stアルバムを出した頃から彼らの音楽を聴いている・・・リアル・タイム・マニックスを知っている音楽ファンである。

ちなみに、トップの写真・・・左からジェームスディーン・ブラッドフィールド(ボーカル&ギター)、リッチー・ジェームス・エドワード(ギター)、ニッキー・ワイアー(ベース)、ショーン・ムーア(ドラムス)である。

初期のマニックスはトップの写真から分かるように(マニックスを知らなければ、当然真ん中のリッチーがフロントマンと思うだろう)、リッチー・ジェームスの色が強いバンドだ。いや、バンドの原動力というかリッチーの発言や奇行そのものがマニックスのイメージだった。

※)注、全てわたし個人の意見で、資料などは一切見ていないので誤った内容・・・いやファンとしての想いや感想が多く含まれることをご了承下さい。ってことで本題に戻ろう。

インディーズで発売された「モータウン・ジャンク」の歌詞・・・「ジョン・レノンが死んだときは笑っちまったぜ。21年間生きてきた俺には何の意味もなかったからさ」・・・これが彼らを時代錯誤の勘違い馬鹿パンク・バンドと呼ばせた所以だった。

90年代(グランジとブリット・ポップが溢れる時代)に下手くそな演奏※本当に聴くに堪えれない内容です・・・。で登場して、しかも「俺たちは30曲入りの2枚組デビューアルバムを全世界で1位にして解散する。失敗しても解散する」と豪語して、そんな彼らを「ただのハッタリだけの偽物」と疑ったインタビュアーの前で自らの腕に4REALとカミソリで刻み(そのまま病院に運ばれ17針を縫う大怪我)、で・・・発売されたのは18曲入りの1枚組のアルバムで、イギリスのチャートではそこそこ頑張ったものの、結果は惨敗・・・。

「やっぱり、解散宣言は取り消します・・・」って。

この危険なムード(?)を一人でブチマケていたのがリッチー・ジェームスだったのだ。

わたしが彼らを意識しながら聴きだしたのは解散宣言撤回後に発売された2ndアルバム「ゴールド・アゲインスト・ソウル」からだ。もちろん1stも聴いていたが、印象的にはガンズに影響されたイギリスのポップ・パンクって感じだった。

だが2ndは「これぞイギリスのバンド」っていう妖艶でメロディアスでしかもギターサウンドってわたしが最も好きな要素が全て入っていた。※今でもこのアルバムは(iPodで)頻繁に聴くアルバムである。1993年・・・今から20年近く前の作品なのにである。

ただの無謀な大馬鹿パンク野郎だと思っていたマニックスが、実は知的で音楽性の高い※しかも無謀なパンクの一面を持った※ミュージシャンだと知ったら俄然好きになっていったのである。

そして続く傑作アルバム「ホーリー・バイブル」が発売される。

まさに、わたしが想像するリッチー・ジェームス色の作品である。周囲に対し、敢えて無機質で無色で硬質で無感情なサウンドをぶちまけ・・・だが、まるで何かに怯えるように何もない部屋の隅に体育座りでひざを抱えて座り、誰かが優しく声をかけてくれるのをビクビクしながら待っている・・・そんなイメージが目の前に浮かんでくるサウンド。って何だそれ?

聴き終わった後に・・・カッコいいとは感じつつ、感動もなければ印象深い曲もなく、でも嫌いな曲も一切なく、でも何度も聴きかえしてしまう・・・。このアルバムも当然(iPod)ヘビーローテーションの作品である。

マニックスのベスト・プレイリストを作る時に困るのがこのアルバムの存在だ。あまりにもアルバムとしてまとまり過ぎている。もし「ホーリー・バイブル」の曲を入れるならほぼ全ての楽曲を入れなければベストにならないし、入れないのなら・・・「ファスター」「PCP」というシングル以外は一切入れてはダメ・・・って、でも他の作品と全曲をシャッフルで聴くと違和感なく楽曲が聴ける・・・なんとも不思議な、いや・・・わたしのようなファンにとっては思い入れの深い作品なのである。

この作品が発表された後、リッチー・ジェームス・エドワードは謎の失踪を遂げる。(酒とドラッグ癖があり精神面も病んでいたそうだ)アメリカツアーに旅立つ直前、泊まっていたホテルから姿を消し、今も行方がつかめていない。※イギリスの法律上では(失踪からの年月で)死亡とされている。メンバーは今でもバンドのギャラをリッチーの分として銀行口座に振り込んでいるそうだ。※メンバーはみんなイギリスの田舎町で一緒に育った幼馴染であり、その絆は強い。実はリッチーはギタリストとなっているがギターはほとんど弾けなかったそうだ。彼の担当は作詞とバンドの原動力なのである。デビュー当初はドラムスのショーンも下手で、CDでは打ち込みが使われることも多かった・・・。

リッチー失踪後、バンドは解散も考えたが・・・リッチーの家族の後押しもあり、3人での活動を再開する。そして皮肉なことに・・・リッチーが居なくなり(健気なバンド青年たちのお涙頂戴系の話題もありで)人気に火が付き始めるのだ。

怪しく危険でカミソリのようなイメージと作詞センスを持つリッチーが居なくなったバンドは爽やかでポップなイギリスのロックバンドへと変化し始めたのである・・・。※悪い意味ではなく、それまでのパンキッシュなイメージから完全に脱却したという意味だ。

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4thアルバム「エブリシング・マスト・ゴー」は辛口イギリスメディアにも好意的に受け入れられた。だが・・・リッチー時代の彼らが好きなファンはがっかりしたはずだ。わたしも「リッチーが居なきゃ、こんなものなのか?」ってくらいにがっかりした。唯一リッチーが作品つくりに係わった「ケビン・カーター」以外の曲は駄作だと思った。

※念のために言っておくと・・・今の耳(リッチーの色に拘りが無くなった)で聴くと、実によくできた、売れる要素の高いアルバムだと思う。

更に5thアルバム「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」は爆発的にヒットすることとなるが、わたし個人では「マニックスは終わった・・・」ってくらいにバラードばっかりの演歌みたいなアルバムであった。

ここでマニックスを聴くのを一時的に止めてしまったくらいに「駄作」だと思った。

※当然、今の耳で聴けば・・・そこまで悪くない作品だと思う・・・が、やはり好きではない。

そして続く6thアルバム「ノウ・ユア・エネミー」ではロック色・パンク色・ディスコ色などバラエティ豊かなセンスをブチ込み戻ってきた。

更にバンド初の(10周年記念)ベストアルバムを発売する。※10月に発売されるベストは21周年記念(?)のベストアルバムだ。初ベストから10年経って2枚目のベストって、商業主義の邦楽とは明らかに違うベクトルの、ファン想いのバンドである。

10周年記念のベスト盤「フォーエバー・ディレイド」を聴いて思ったのは・・・マニックスのベスト盤って・・・面白くないってことだ。とにかく名曲が揃っている。優等生バンドの代表みたいに良い楽曲が満載だ。

このベスト盤に遅れること1年・・・実は「リップスティック・トレイス」という2枚組の裏ベストが発売されているのだ。この裏ベストの発売が・・・実はわたしのファン心を大きく揺り動かせてくれたのだ。

「エブリシング・マスト・ゴー」「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」で離れた心はなかなかマニックスに戻らず、10周年のベストでも「面白くない」と感じたわたしが「裏ベスト」で再びファンに逆戻りなのである。

「裏ベスト」・・・シングルにはなっていないがファンにはお馴染みのアルバム収録曲。って、マニックスの場合はそんな生易しいものではない。シングルのカップリングや企画作品に提供された楽曲で、アルバムにすら収録されていない隠れすぎた名曲・・・である。

実はこの「アルバム未収録曲」こそがマニックスの真骨頂なのである。

わたしも初期の頃の作品は買いあさっていた・・・。今では入手困難なCDも大量に持っている。それこそシングルだけで20枚以上ってくらいの量だ。※それでも初期から中期までの頃の作品だけである。

先日亡くなったIT界のカリスマ、スティーブ・ジョプス氏が音楽業界に革命をもたらせた商品・・・「iPod」

iPodの普及で音楽はデジタルコンテンツに移行し、要するに時間の枠を取り払った状態になった(個人的な感想ですよ)。そして作品(アルバム)がひとつのアイテムだという概念も薄くなっていった。

それまでのCD1枚75分って概念が無くなり、しかも(わたしがはまり込む分野だが)音量などの調整がPCでできる時代になった。90年代初期には考えられなかった出来事だ。

マニックスのようなバンドの作品を聴くには実に好い環境だと思う。※アーティスト側の意思には反することなのだが・・・。

マニックスはアルバムに拘るバンドなのだ。アルバム未収録楽曲が多いのはその為だ。(才能があり働き者っていうのもその理由だが・・・)

とにかくアルバム未収録曲のクオリティの高さが尋常じゃない。リップスティック・トレイスがそれを改めて証明してくれた(再認識)のだ。

駄作だから未収録ではなく、アルバムのイメージに合わないから未収録なのである。例えば演歌的にバラードばかりの「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」のシングル曲のカップリングにはハードエッジないつものマニックスが居たのである。

ジョンスペンサー・ブルース・エクスプロージョンが発表した「アクメ」という実験作品には同時にレコーディングされたアウトテイクだけで「エクストラ・アクメ」というロック・アルバムが作れるくらいの作品が存在したってのと同じだ。※ジョンスペの場合は正式な表「アクメ」よりアウトテイクを集めた裏「アクメ」の方がカッコよかった。

マニックスは現在2011年までに10枚の作品を発表している。外国の20年キャリアのバンドとしては作品が多い部類だ。アルバム楽曲を「表楽曲」とした場合、全作品をコンプリートしているわたしが持っている表楽曲は約150曲・・・。そして(まだ完全コンプリートしていない)アルバム未収録の「裏楽曲」が100曲。ライブやリミックスを除く。

つまり・・・10枚の表作品と同じくらいのボリュームでアルバム未収録の裏作品が存在しているのである。そしてジェームスディーン・ブラッドフィールドとニッキー・ワイヤーのソロ(各自1枚)を合わせると・・・ミックス違いやライブヴァージョンを除けて・・・270曲近い楽曲が存在するのだ・・・。

なぜわたしがiPodで聴くのが良いと言ったのか?

つまり、彼らの全作品を全て音量を揃えて(ベストと裏ベストが出てるので音量調整は比較的簡単)シングルに収録された裏楽曲をアルバムの中(シングル曲の後に収録順)に並べて聴くと・・・嫌いだった「ディス・イズ・マイ・トゥルース・テル・ミー・ユアーズ」でさえ、マニックスの作品になってしまうのである。※ただし、収録時間は17時間近くなるので注意。

これが、マニックスの凄さだと思うのだ。

マニックスは10周年以降も

「ライフ・ブラッド」というメロディックな楽曲満載の7thアルバム、「センド・アウェー・ザ・タイガー」というロック色の強い8thアルバムを順調に発表する。

そして・・・9thアルバム、2009年の問題作「ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ」を発表。この作品は全曲リッチーが書き残した散文詩を使用して作詞された作品だ。リッチー失踪後のマニックスが無くしていた危険な雰囲気が散りばめられた作品だ。

マニックスが歌う楽曲は当然だが英語である。

英語の歌って聴いても意味が分からないでしょ? って思われるだろうか?

はい、聴いてもまったく意味がわかりません。時々知ってる単語やフレーズが出てくるくらいで、後は歌詞カード頼り。でも・・・訳詩ってダサいんですよね。メロディに合ってるわけじゃないし、だからわたしは何となくの意味を理解したらその後は一切歌詞カードなんて見ませんね・・・。

ええ? だったらリッチーが作詞したから「カッコいい」って矛盾ですよね? だって歌詞の意味がわからないんですもの・・・。

いいえ、そこがリッチーが普通の天才詩人ではない所以。

マニックスの3rd「ホーリー・バイブル」を聴いたら理解できます。今まで(他の洋楽で)聴きなれたフレーズや言葉がほとんど登場しません・・・※同じ単語が出ていてもメロディへののせ方がまったくの別物。ホーリー・バイブルを聴いて、歌詞カード見なかったら「何語で歌ってるの?」ってなるのに、歌詞カードに並んでいるのは読み方の知ってる英単語・・・。

流石にリッチー本人が居ないから、ホーリー・バイブルほど露骨にリッチー色にはなっていないが、それでも今までとは明らかに色が違うアルバムが登場したのだ・・・。

そして、2010年には僅か1年で新作「ポストカード・フロム・ア・ヤングマン」を発表。前作で全ての毒を吐きつくしたかのように爽やかでポップで・・・わたしが大嫌いな作品を出しているのだ。

そして2011年・・・最新ベストアルバムの登場である。

収録曲は・・・名前の通り、デビューシングルから最新シングルまでの表題曲が全収録+新曲である。

多分・・・面白くないアルバムになるだろう。楽曲が良すぎるし、名曲しか入っていないじゃないか・・・ってね。

わたしとしては、同時にリップスティック・トレイス2も欲しいところであるが・・・ファンの皆様はどうだろう?

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