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マニック・ストリート・プリーチャーズを語らせて頂きます

Manics20best 90年代初頭にデビューしたバンドで生き残って戦っているのはレディオヘッドとマニック・ストリート・プリーチャーズだけだ。

これは凄いことだよ。今や、あのオアシスが解散する時代なんだ。

と語ったのはマニック・ストリート・プリーチャーズのニッキー・ワイヤーだっただろうか?

1991年に時代錯誤の勘違いパンクソング「スーサイド・アレイ」でデビューして20年・・・。

私がデビュー当時から聴きつづけている数少ないロック・バンドのひとつである。いや、聴き続けているバンドは多いが、新作が出ても「裏切られることのない」バンドはマニックスとピロウズだけのような気がする。

実は・・・彼らの最新作「ポストカーズ・フロム・ア・ヤング・マン」を購入した。今年の9月に発売されていたのが・・・油断していた。前作「JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS」から僅か1年4ヶ月、こんなに早く新作が出るとは思ってなくて(しかも洋楽の新作情報が少ないこの時代)発売されていることすら知らなかったのだ。

早速、聴いた感想は・・・やっぱりマニックスである。

新しい試みは無いが、今までとは微妙に雰囲気の違う(これは毎回感じることだが)何かがある、そんな新作だ。メディア情報だと、彼らの大出世作「エブリシング・マスト・ゴー」辺りが同じ色のアルバムとして引き合いに出されているが、聴いた感じ特にそうは感じなかった。どちらかと言うと、最近のマニックスを構成する雰囲気が全て混ざったような・・・ポップでメロディックで攻撃的で寂しい・・・そんなアルバムだと思う。

今回はその中でもポップな面が強調され、今までに無い壮大さとゴスペル風コーラスアレンジが施された新機軸がアクセント・・・ってとこではないか。

さて、90年代初頭にデビューして生き残った数少ないバンド、マニック・ストリート・プリーチャーズ(通称マニックス)。

今でこそイギリスを代表する国民的ロック・バンドだが・・・デビュー当時の彼らはマスコミを喜ばせる問題児バンドであった。

デビュー前から「俺たちは全世界でナンバー1になる2枚組みデビュー・アルバムを発表して解散する!」とのたまわり、記者会見で「君たちは偽物(格好だけのロック・バンド)じゃないのか?」という発言に、その場で自分の腕にカミソリで「4REAL(俺たちは本物だ)」と大きく刻み、そのまま病院に運ばれ・・・・・・、全世界でナンバー1になれず解散宣言を撤回、マスコミは非難轟々!

ところが、宣言撤回後に発表した2ndアルバムの秀逸なこと! デビュー作は勢いにまかせたメタル・パンク・ロックだったが、2ndはメロディックでイギリス的、妖艶で美しい雰囲気を纏った危険な作品であった。当時、わたしと一緒にバンドを組んでた友人が「ビジュアル系バンドと同じにしか聴こえない」と言っていた・・・。

そして続く3作品目・・・早すぎた傑作「ホーリー・バイブル」

前作の妖艶さは一切排除、無機質で冷たい金属的なサウンド。ハードロックやメタルの金属質ではなく、まるで寒い冬の日に肌を切り裂くような甲高い金属音が聴こえてるって感じのサウンドだ。セールス的には伸びなかったが、早すぎる傑作とメディアに絶賛されるアルバムとなった。

だが・・・このアルバムを引っさげたアメリカ・ツアーの前日、メンバーのリッチー・ジェイムス・エドワードが謎の失踪・・・。カリスマ的な魅力と独特の詩の世界を持つバンドの要が居なくなってしまったのだ・・・。

マニックスというバンドはデビューから20年、メンバーの変更が無い。なぜならメンバー全員が幼馴染で、音楽以前から強い友情で結ばれているバンドだからだ。映画館も無い田舎町で一緒に育った4人の幼馴染がテレビで観たクラッシュ(イギリスのパンク・バンド)に衝撃を受けてバンドを結成したのだ。

担当楽器を見ると、リッチー・ジェイムス:ギター となっているが、実は彼は楽器を演奏できなかったそうである。ライブではギターを持ってステージに立っているだけのメンバーであった・・・。だが、彼が居なければマニックスはマニックスではなかったのである。リッチーのカリスマ的魅力と詩の世界こそが初期マニックスを構成する最大の要素だったのだ。

リッチーは失踪したまま・・・現在に至っている。イギリスの法律的には既に死亡が宣告されたが、メンバーは今でもリッチーの帰りを待っているのだ。彼が居なくなって15年、バンドは今でもリッチー名義の口座にバンドのギャラ(リッチーの分)を振り込んでいるそうである。彼らは幼馴染で友人なのだ・・・。

だが皮肉な事に、リッチーの居なくなったマニックスはそれまでの危険な雰囲気が無くなり、その結果・・・アルバムはヒット、イギリスの国民的バンドへと登り詰めてしまったのだ。

その頃の作品・・・実はわたしは大嫌いなのだ。リッチー在籍時の危険な雰囲気が無くなったマニックスにはまったく魅力を感じなかった。一時的にマニックスの作品を聴かなくなってしまったほどだ。※CDは買っていたが、何度も聴くことはなかった。

再びマニックスを聴き出したのは「ノウ・ユア・エネミー」からだ。※と、言っても大嫌いな時期は大ヒットアルバム2作の時期だけなのだが・・・。

初期の攻撃的なマニックス・サウンドの復活である。だが、試行錯誤の時代の始まりでもある。この後のマニックスは自分達の在るべき姿を探すように様々な試行錯誤を繰り返す。と、言っても・・・ファンじゃなきゃ分らないような試行錯誤だ。攻撃的な「ノウ・ユア・エネミー」に続き内省的な「ライフブラッド」、開放的な「センド・アウェイ・ザ・タイガー」を発表する。どのアルバムも基本的にはメロディが秀逸なロック・アルバムだ。だが、微妙にサウンドから受ける印象が違うのだ。

そして「JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS」で今まで封印していたリッチーの残した散文詩を全面的に使ったのだ。早すぎた名盤「ホーリー・バイブル」の続編と呼ぶべき天才的な詩の世界が展開されるアルバムである。

俺たちは4人でマニックスだ! と、声高に宣言したのである。

そして最新作「ポストカーズ・フロム・ア・ヤングマン」である。

相変わらずのマニックス・サウンド炸裂の秀作である。

興味のある方は・・・ぜひ、彼らの作品に触れて頂きたいと思う。

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