ソニック・ユース ジ・エターナル
2009年に発表された作品だが、購入の機会を逃し先送りにしていたアルバムである。通算21作目、メジャー・レーベルを離れインディー・レーベルからの発表である。
日本だと、メジャー・レーベルから離れると・・・「落ち目?」なんてイメージで見てしまうものだが、彼らの場合は不思議と「おかえりなさい」と云いたくなってしまう。
ソニック・ユースにはインディーの自由な活動の場が似合うのだ。※サーストン自身、「信頼のおけなかった大企業レーベルとの十数年の契約から開放された」と述べている。
とにかく歴史の長いバンドである。
初期のインディー作品はひたすら実験的であった。正直、ファンの私が聴いても首を傾げてしまうような作品ばかりだ。その後、彼らのサウンドが確立?され始めた「シスター」「エヴォル」「デイドリーム・ネーション」※インディー時代の傑作である。を経て、メジャー契約。90年代初期の「Goo」「ダーティ」という強烈な作品を世に送り出す。
その後は再び実験的で奇妙なサウンドに傾倒していくのだが・・・。
2000年辺りから、ジム・オルークをプロデューサーに向かえ※この頃に長年愛用の機材一式を盗難に合うという事件もあり、作品はノイズを抑えたメロディアスでプログレッシブな方向にシフト。サーストンのメロディ・メイカーとしての才能が前面に押し出されたNYC3部作を発表。
前作「ラザー・リップト」はビルボードの年間トップ50作品の第3位である。
そして今作「ジ・エターナル」である。
一聴して感じたのは、インディー仕様だということだ。
「シスター」「エヴォル」「デイドリーム・ネーション」の次作と云われれば信じて疑わないようなサウンドである。しかしながら、メロディーセンスは近年のソニック・ユースなのだ。
楽曲も比較的コンパクトに纏められ、攻撃的なサウンドである。
ラザー・リップトのような疾走感こそ無いが、攻撃的なノイズが戻って来た!
ノイズと云ってもただ耳障りなだけの勘違いオルタナティブとは違い、繊細で緻密なソニック・ユース独特の奏法である。失われた機材の感覚が復活したって気分だ。
一部の若いリスナーからは不評の声も挙がっているようだが? 90年代の「Goo」から聴き始めた私には「懐かしくも、嬉しい」サウンドの復活である。「ムーレイ・ストリート」のようなノイズを抑えたメロディ重視のアルバムの方が初期ファンには違和感満載なのである。
インディー・シーンに舞い戻ったソニック・ユースの「ジ・エターナル」。
お勧めの作品である!
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